もっとも身近なカスタムできるパーツがエンジンオイル。ちょっと違うものにするだけでフィーリングは変わる。手軽でありながらエンジンが壊れることもあり得る重要なパーツ。純正オイルとアフターオイルの選び方とは!?
エンジンオイルは5000~1万kmくらいで交換するものであり消耗品の代名詞的存在。それでいて様々な種類のオイルが存在していて、違うものを入れることもできる。ちょっと高いオイルを入れるとたしかにエンジンが静かになったり、スムーズに回るように感じられることもある。ではやはり高価なオイルを入れたほうがいいのだろうか。
まず純正オイルとはどういったものなのか。それは自動車メーカーで開発したオイルで、新車出荷時にはそれが入れられている。これまで純正オイルとは「ギリギリセーフの性能を持つオイル」のような認識をされてきたがそうとも言えない。少なくとも我々メディア媒体が借りて、サーキットを全開で走ったり、長距離レポートをする広報車と呼ばれるクルマももちろん純正オイルが入れられていて、いつも問題なく走っている。
自動車メーカーに聞くと、純正オイルはありとあらゆる条件でテストして問題ないかを検証している。そのため純正オイルのモデルチェンジや新たな商品の採用にはテストだけで数年掛かってしまうほどだという。それだけテストにテストを重ね、問題な無いことを確認しているオイルなので間違いはないのだ。
では、純正オイルが最高なのかというと、それはまた別の話になる。純正オイルはマイナス何十度から南国の気候まで幅広い条件下でテストている。つまりマルチな性能では申し分ない。でも逆に言えば、使用条件を限定すればもっと良い物もある。
例えば、レーシングカーがサーキットでレースをするとき。オイルはレースウィーク前に交換し、その週末だけ使う。レースが終わればまたオイル交換をする。そのため1万kmの寿命は必要ない。その代わりに高回転を多用して連続周回したときにエンジン保護をしてほしい。となると、そういったことに特化した成分のオイルとなるのだ。なので、一概に純正オイルが良いわけでも、アフターオイルが最高なわけでもなく、使用条件によってはどちらも優れたとオイルになるということなのだ。
◆オイル選びで気をつけたいのは規格と粘度
純正以外のオイルを使う場合にはまず規格を調べておきたい。現在各自動車メーカーではそのクルマに適合したオイルの規格を定めている。ILSACやAPIなどがその規格で、どういった性能があるのかを示すための基準となっている。
具体的には最近のターボ車ではAPI規格「SP」に適合しているエンジンが増えている。これはダウンサイジングターボエンジンで低回転から過給するエンジンでLSPI(低速異常燃焼・ノッキング)が起きやすい。そこでLSPIの原因となる成分が少なくなっているのが「SP」なのだ。
どんなに高性能をうたうオイルでもLSPIに非対応の規格品をLSPI対応オイルが指定されているエンジンに使うと、LSPIが起きやすい。これが起きるとエンジン側で感知してパワーダウンなどの自動制御が入るが、最悪の場合ノッキングによってピストンや燃焼室がダメージを受けて取り返しの付かないことになってしまう。
また、粘度もとても重要。10W-40などで表記される場合、これを無闇に変えるのは危険。ひと昔前なら純正指定が10W-40の場合、サーキットに行くならちょっと硬めの15W-50にしよう、なんて話もあったが実は危険。
たしかにサーキット走行でエンジンオイルの油温が上がると粘度が保たれにくくなるので粘度を上げるのは金属の表面保護には効果的。しかし、粘度が上がるとオイルはよりドロドロになる。そうなるとエンジンヘッドに送られたオイルがなかなかオイルパンまで落下してこなくなる。とくにサーキットでは強いコーナリングGでオイルパン内部のオイルが片寄りやすい。そこにプラスしてオイルがなかなか落ちてこないので、オイルポンプがオイルを吸えず、エンジン内部にオイルが圧送できずに油膜切れを起こすことがあるのだ。良かれと思って粘度を上げたことでエンジンブローした例もあるのだ。
なので、無闇に粘度を上げるのは危険。同様に粘度を下げるとそもそも油膜切れを起こしやすくなるので、燃費が良くなると言って純正指定10W-40のエンジンの0W-20などを入れるのもNG。自動車メーカーではいくつかの指定粘度を示している場合があるので、その範囲内で季節や使用条件に合わせて調整してもらいたい。
からの記事と詳細 ( エンジンオイル交換の迷いを解消! 純正オイル vs アフターオイル、どちらが最適なのか?~カスタムHOW TO~ - レスポンス )
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