■スカイラインなど名車に搭載されたVQエンジンが米国“10ベストエンジン”に
2002年12月10日(現地時間)、日産自動車のVQ35エンジン(3.5L V型6気筒)が米国ワーズ社の“10ベストエンジン”賞に、この賞の史上初めてとなる「9年連続」で選出されました。
同VQエンジンは、米国で日産350Z(日本名フェアレディZ Z33)やインフィニティG35(日本名スカイライン)、パスファインダーなどに搭載されています。
●国産初のV6エンジンは、日産VGエンジン
国産乗用車で初めてV6エンジンを搭載したのは、1983年にデビューした日産「セドリック(6代目)/グロリア(7代目)」です。それまでの直列6気筒からV型6気筒に変わり、「VG20」と「VG30」、「VG33」の3種が設定されました。
その後、ターボを装着した「VG30ET」、DOHC化した「VG30DE」、セラミックターボの「VG30DET」、インタークーラー付ツインターボ「VG30DETT」と高出力化が図られ、「セドリック/グロリア」のような高級車だけでなく、日産を代表する高性能モデル「フェアレディZ」や「シーマ」、「レパード」などにも搭載されました。
●VGを進化させたVQエンジン、さらに高性能VQHRエンジンも登場
日産の主力となった高性能VGエンジンに代わる新世代V6エンジンとして登場したのが、VQエンジンです。
VQエンジンは、“軽く滑らかに吹き上がる”というコンセプトを引き継ぎながら、エンジンブロックなど主要部品を一から見直し、徹底的な部品の軽量化や基本構造の見直しによって、伸びのある加速や優れたレスポンスが特徴でした。
最初にVQエンジンを搭載したのは、1994年にデビューした2代目「セフィーロ(米国では「エキシマ」)」で、「VQ20DE」、「VQ25DE」、「VQ30DE」が設定されました。
その後VQエンジンは、連続可変式VTC(可変動弁機構)を装備するなど常に時代をリードするV6エンジン「VQ30DD」や「VQ35DE」へと進化し、VG同様、日産のスカイライン(V35)やフェアレディZ(Z33)などに搭載されました。
また、VQエンジンのDNAを継承した上で、HRを付加した「VQ25HR」や「VQ35HR」、「VQ37HR」が新しく開発。VQHRエンジンは、高回転・高レスポンスだけでなく、大幅な出力向上や振動騒音の低減、燃費低減を実現したのです。
VQHRエンジンは、2006年以降の「スカイライン(V36)」や「フーガ(Y51)」、「フェアレディZ(Z34)」など高級車に採用されています。
●結局、14年連続“10ベストエンジン”の栄誉に輝く
VQエンジンの米国進出は、上記の通り1994年の「エキシマ」から始まりましたが、その後「日産350Z(日本名フェアレディZ)」、「パスファインダー」、「インフィニティG35(日本名スカイライン)」、「インフィニティI30(日本名セフィーロ)」などが販売され、好評を得ました。
その結果、米国ワーズ社が毎年選出する“10ベストエンジン”に、1995年に「VQ30DE」が選ばれ、以降2002年のこの日「VQ35DE」が選出され、これで史上初めて9年連続選出されるという栄誉を獲得。その後も、米国市場での高い評価は続き、結局2008年の「VQ35HR」まで14連連続で受賞するという快挙を成し遂げたのです。
ちなみに、同賞は「オートワールド」誌および「エンジン・アンド・ビークルテクノロジー・アップデート」誌の編集者6人が、車両価格5万2500ドル(約770万円)未満の30種類のエンジンを評価し、その中からベスト10を選出するものです。
国産初のV6エンジンを開発した、日産のV6エンジンへのこだわりは強いようです。常に主力モデルで採用しながら進化し続け、フラッグシップのGT-R「VR38DETT」や新型フェアレディZ「VR30DDTT」にも高性能V6エンジンを搭載していることからもよく分かりますね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)
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