
空冷/水冷で見た目も性能も変わる!
最新型が発表されたスズキ「ハヤブサ」や、ファイナルエディションとなったヤマハ「SR400」などが話題になるとき、やはり注目されるのはエンジンだ。どのくらいパワーが出ているのか、そしてテイストは……。バイクの心臓ともいえるエンジンは、“どうやって冷やすのか”が大きな違いを生んでいる。 【写真×7点】エンジンを搭載するバイクもこれだけ違う! ●文:山下剛
エンジンは冷やさないと壊れる
バイクに乗っている人なら誰でも、稼働中のエンジンは素肌で触れられないほど熱くなることを知っているだろう。エンジンが熱くなる主な理由は、シリンダー内の燃焼室で混合気が爆発して燃焼しているからで、温度はおよそ800℃になるといわれている。 もしもエンジンを冷やさずにそのまま稼働させているとさらに高温になり、オーバーヒートを起こしてエンジンが停止する。最悪の場合は、ピストンやシリンダーが溶けたことでエンジンがストップする。それが“焼きつき”というトラブルで、ピストンやシリンダー、クランクシャフトなどの交換が必要となり、最悪の場合はエンジンをまるごと交換することになる致命的な故障だ。 そうならないためにはエンジンを常時冷却する必要がある。エンジンの冷却方法には、空冷、水冷、油冷があり、このような特徴がある。
空冷式
空気でエンジン全体を冷却する方法で、ボディの中にエンジンが収まっているクルマと違い、エンジンがむき出しになっているバイクの場合は有効な冷却方法だ。 冷却効率を上げるため、シリンダーやシリンダーヘッドには“フィン”と呼ばれる薄い金属板が備わっている。これは金属部品の表面積を拡げると空気に触れる部分が増えるため、放熱効果が高まる原理を利用したものだ。 この放熱フィンはエンジンを冷却するという目的のための装備だが、エンジンの外観を装飾する二次的な役割も持っている。そのため水冷エンジンでも装飾フィンを備えるものがある。 空冷式エンジンは走行風によってエンジンを冷却するため、停車中に長時間アイドリングしているとエンジンの熱が高くなりすぎてしまう。 また、空冷エンジンは始動直後に振動が大きく、回転上昇がぎこちない傾向がある。とくにキャブレター車ではエンジンが吹け上がらず、エンジンが停止しやすい。 なぜこうなってしまうのかというと、空冷エンジンでは金属が熱膨張することを見越しているため、始動直後でエンジンが冷えている間はピストンとシリンダーにわずかな隙間があるからだ。そのため、エンジンが温まればピストンとシリンダーの間隔は適正になり、エンジンは本領を発揮するようになる。 冷間時に未燃焼ガスが発生することやエンジンの熱管理がむずかしいこと、エンジンの騒音が大きいことなどの理由によって、空冷エンジンは高出力化が困難だ。年々厳しくなる排ガスと騒音の規制に対して不利でもある。そのため空冷エンジンは、高出力を必要としないモデルや小排気量モデルに搭載されるようになっている。
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