暗号資産(仮想通貨)の5月の急落局面で、時価総額2位のイーサが比較的強い耐性を示し、トップのビットコインを時価総額でいずれ抜く可能性があるとの見方が再燃した。
ビットコインの時価総額はイーサより2倍余り大きいが、ビットコインが5月に過去最大級の下げを経験したのに対し、イーサの下落幅は比較的小さく、両者の時価総額の差は約3500億ドル(約38兆円)縮小した。
ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)ソフトウエア会社エッジ・アンド・ノードの共同創業者ティーガン・クライン氏はイーサについて、「イーサリアムはイノベーション(技術革新)と開発者の関心という点で勝り、将来のある時点でビットコインを超える可能性が高い」と予想。ただ、投資家は両方の暗号資産に資金を配分すべきだとの見解を示した。
上場投資信託(ETF)運用会社アーク・インベストメント・マネジメントを率いるキャシー・ウッド氏やゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらも、最近イーサの将来性に注目している。暗号資産への関心はビットコイン以外にも広がりを見せ、コインゲッコーのデータによれば、1兆6000億ドルの市場価値全体に占めるビットコインのシェアは2021年に入り約70%から42%に低下した。
ゴールドマンの商品ストラテジスト、ミハイル・スプロギス氏とジェフ・カリー氏はリポートで、ビットコインの先発優位性は「脆弱(ぜいじゃく)」に思われるとした上で、「価値保存のデジタル手段としての支配的地位が、実用性と技術的敏しょう性で勝る別の暗号資産に最終的に奪われる」可能性が高く、イーサが最有力候補のようだと指摘した。
原題: Crypto Shakeout Stirs Debate on Ether’s Shot at Usurping Bitcoin(抜粋)
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