BMWは1月18日、BMWブランド向けのV12エンジンの生産を6月に終了すると発表した。最終モデルとして、『7シリーズ』に「M760iファイナルV12」を設定し、限定発売する計画だ。
◆V12エンジンは1987年に登場以来35年の歴史に幕
BMWは1987年、市販車に初めてV型12気筒ガソリンエンジンを搭載した。自然吸気の「M70」型と呼ばれる5.0リットル V型12気筒ガソリンエンジンは、当時の7シリーズのフラッグシップグレード、「750iL」 に搭載された。
M70型V12エンジンは、シングルオーバーヘッドカムシャフト、1シリンダーに2つのバルブ、電子スロットルのドライブバイワイヤーを備えていた。最大出力は295 hpを発生し、当時の競合ラグジュアリーセダンの新基準を標榜していた。
なお、BMWのV12エンジンは、BMWグループ傘下のロールスロイスモーターカーズの車両にも搭載されている。ロールスロイス向けのV12エンジンに関しては、継続生産される予定だ。
◆V12搭載の最終モデル「M760iファイナルV12」
BMWブランドのV12エンジン搭載の最終モデルのM760iファイナルV12は、「M760i xDrive」グレードがベースだ。米国市場向けには、12台が限定生産される。
「Mパフォーマンス」が、このV型12気筒エンジンをチューニングした。排気量6592ccのV型12気筒ガソリンエンジンは、2個のターボ「BMW Mツインターボ」で過給され、最大出力601hp/5500~6500rpmを引き出す。トランスミッションは8速ATの「ステップトロニック」で、。駆動方式は4WDの「xDrive」。動力性能は、0-96km/h加速3.6秒と、大型サルーン屈指の性能を発揮する。
パワフルなエンジンに合わせて、サスペンションやブレーキは強化されている。
◆リアに太文字の「V12」エンブレム
M760iファイナルV12には、専用のエンブレムやアルミホイールが装備される。「BMWインディビジュアル」によるボディカラーや内装トリムの選択肢も、豊富に用意されている。
エクステリアには、リアにシンプルで太文字の「V12」エンブレムが装備され、他の7シリーズと識別できるようにする。特別な20インチの「スタイル760M」ダブルスポークアルミホイールは、ウィンドウグレーまたはジェットブラックが選択でき、ダークシルバーのグロス加工が表面に施される。Mスポーツブレーキは、ブルーまたはブラックのキャリパーが選択できる。
インテリアは、ドアシルプレートに「THE FINAL V12」の文字が刻印される。BMWインディビジュアルのピアノブラックフィニッシュトリムが採用され、コンソールには「1OF12」のシリアルナンバープレートが添えられる。
◆V12最終モデルにふさわしい装備内容
BMWの運転支援プロフェッショナルパッケージ、ラグジュアリーな後席パッケージ、パノラマスカイラウンジLEDルーフ、レーザーライト付きアイコンアダプティブLEDヘッドライト、「Bowers&Wilkins」ダイヤモンドサラウンドサウンドオーディオシステムが装備される。BMWインディビジュアルの80以上のエクステリアカラーと、複数の仕上げのフルメリノレザーから選択できる。
M760iファイナルV12の生産は2022年6月に開始され、米国では7月に納車される予定だ。米国では今後数日のうちに、V12エンジン搭載の7シリーズを長年所有してきた顧客に招待状が送られる。顧客はこの招待状を持って、最寄りのBMWディーラーにアクセスする。
BMWは、M760iファイナルV12によって、究極のラグジュアリースポーツセダンに長年の情熱を示してきた顧客に、感謝するまたとない機会を得ることができる、としている。
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