ボディ部分を大幅に作り込み、ビッグマイナーチェンジ
クルマの作り込みに関しては、第1戦鈴鹿ではカーボンニュートラル燃料を使うエンジン部分以外は、購入可能なパーツ装着でサーキットチューニングしてきたとのこと。監督を務める本井雅人氏(SUBARU 技術本部 技術管理部 担当部長 スバル研究実験センター センター長)は「自分たちでタガをはめて開発してきた」と言う。
しかしながら第1戦鈴鹿での28号車 GR86 CNF Conceptと61号車 BRZ CNF Conceptの差を見て、開発を自主規制してきたそのコンセプトを撤回。タガを外してビッグマイナーチェンジで臨むのが富士24時間レースになる。
ただ、今回はピロボールや固めのブッシュでサスペンションを固めているのだが、固めたことによる弊害も出てきていて、動きが硬くなってしまっているという。車高も低くしているのだが「一般にいう“バンザイ”状態でスタビライザーが効かない」とかの問題も、サスペンション部品の取り付け位置を変更するとか、ピロボールを入れたりとか、どんどん手を入れているとのことだ。
さらに運動性能向上に効く軽量化にも着手。ドアはカーボンに変更し「ドア部分だけで34kg軽くなった」と言う。フロントボンネットには空力などを考慮したエアアウトレットを設置。このエアアウトレット付きボンネットにより、空気の抜けをよくすると同時に、ボンネット上に層流部分を作り出し空気を整流していく。実際にCd値も下がっているとのことで、24時間レースという長丁場での効果に期待できる。
さらに5月10日のテストデーでは光造形によるエアアウトレットのためそれなりの重量物となっていたが、本番の24時間レースではカーボン、それもカーボンニュートラル時代を見すえてサステナブル素材でのカーボン造形にチャレンジしていくという。これは長いレース時間をサステナブル素材が耐えるかのテストにもなっていくだろう。
スバルのエンジンはオイル希釈問題が発生せず
エンジンまわりについては、第1戦鈴鹿では燃料をもらってからすぐのレースとなったためチューニング不足があったとのこと。対応するアイディアは入れてあり、わずかな馬力だが上昇しているという。さらなるアイディアはあり、シーズンを通してエンジンには手が入っていく。
GR86 CNF Conceptで顕著となっているカーボンニュートラル燃料のオイル希釈問題についても聞いてみたが、自然吸気の水平対向2.4リッターエンジンでは問題になるほどではないとのこと。スバルの場合シリンダーが水平になることから重力的にもオイルパン方向に流れづらく(その分、オイルまわりの設計は難しい)のもあり、オイル希釈問題については複合的な要因があるものと思われる。
「ガチンコ勝負」と言われがちなスバルとトヨタのBRZ/GR86対決だが、カーボンニュートラル燃料まわりについてはしっかり情報交換されており、協調領域と競争領域をしっかり意識して開発が進んでいる。ベースは同じボディながら、すでに別物のクルマとなって進化しながらも、さらに相手との差分も比較しやすい、開発にとって理想的な状況になっているようだ。「開発のタガを外した」(本井氏)という61号車 BRZ CNF Conceptの24時間の戦いが始まる。
からの記事と詳細 ( 富士24時間、スバルはBRZ CNF Conceptを軽量化するなど開発を本格化 エンジンも数馬力アップ - Car Watch )
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