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「レクサスのコアモデルだからこそ、守りに入らず変革に挑戦した」――。こう語るのは、トヨタ自動車が2022年6月1日に発表した新型SUV(多目的スポーツ車)「レクサスRX」のチーフエンジニアを務めた大野貴明氏である。
今回の全面改良によって5代目となる新型RXは「次世代レクサスが目指す走りやデザインを追求した」(同氏)という。特に注目すべきは、レクサス初となる新型のハイブリッドシステムを採用した点だ。同システムは、前輪側に排気量2.4Lの直列4気筒ターボエンジンとモーター、6速AT(自動変速機)を搭載し、後輪側にもモーターを採用した。
最大の特徴は、後輪側のモーターである。トヨタのハイブリッド車(HEV)は電気式四輪駆動(4WD)システム「E-Four」用として小型モーターを搭載するものあるが、新ハイブリッドシステムのモーターはより高出力だ。
高出力なモーターを後輪に配置したのは、4WD制御システム「DIRECT4」のためだ。DIRECT4は、運転状況や路面の状態に応じて前後輪の駆動力配分を制御するシステムである。レクサス初の電気自動車(EV)専用モデル「RZ」から採用する技術で、HEVに搭載するのは新型RXが初めて。
車輪速センサーや加速度センサー、舵角(だかく)センサーなどの情報を用いて、前輪:後輪=100:0~20:80の間で駆動力配分を変更できる。発進加速性や操縦安定性の向上、燃費の改善などに貢献するという。例えばコーナリング時は、ステアリングの切り始めには70:30~50:50と前輪寄りの駆動力配分にする。ちなみにRZは、同条件で75:25~50:50としており、車種やパワートレーンに応じて駆動力配分を変えているようだ。
新HEVに使うターボエンジンは、トヨタが2021年に発売した小型SUV「レクサスNX」でも使うが、今回はモーターを追加してHEV化した。6速ATは、トルクコンバーターの代わりにクラッチを採用し、モーターと変速機の間に配置。トルコンの廃止で動力損失を減らす考え方は、マツダが新型SUV「CX-60」で採用した8速ATと同じだ。電池は、トヨタの小型HEV「アクア」から使う「バイポーラ型」のニッケル水素電池を採用した。
新ハイブリッドシステムを搭載する「RX500h」を頂点として、新型RXには4つのパワートレーンを用意する。「RX450h+」はプラグインハイブリッド車(PHEV)で、排気量2.5Lの直列4気筒ガソリンエンジンに、前・後輪のモーターや容量18.1kWhのリチウムイオン電池などを組み合わせる。「RX350h」はHEVで、2.5Lエンジンやバイポーラ型ニッケル水素電池を使う。「RX350」は、2.4Lターボエンジンを備えたガソリン車だ。
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