米Emurasoftは12月7日(日本時間)、テキストエディター「EmEditor Professional」の最新版v22.1.0を正式公開した。64bit版を含むWindows 7/8.1/10およびWindows Server 2008 R2以降に対応するシェアウェアで、現在同社のWebサイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。
本バージョンの目玉は、「Microsoft Edge」「Google Chrome」などで用いられているJavaScriptエンジン「V8」を用いて最新仕様のJavaScript(ECMAScript)で書かれたマクロを処理できるようになったこと。
従来の「EmEditor」ではJavaScriptの実行に「Internet Explorer」の「アクティブ スクリプト」(Active Scripting)テクノロジーをベースとした「JScript」が用いられていた。「アクティブ スクリプト」にはVBScript、PerlScript、PHPScript、Python、RubyScriptなど、幅広いスクリプト言語が利用できるという利点があるが、一方でもはや新機能の追加はされておらず、最新のJavaScript仕様をサポートしていないという大きな欠点を抱えている。
そこで、v22.1では「Microsoft Edge」の「WebView2」コントロールを利用して「V8」エンジンでJavaScriptのマクロを処理できるようになった。
「WebView2」は最新のWindows 10/11に含まれており、ユーザー側でライブラリなどを別途導入する必要はない。それ以外のOSでも、エバーグリーン(Evergreen)版のWebView2 ランタイムを導入すれば利用できる。
ただし、「V8」エンジンはキーワードの大文字と小文字を区別するため、既存のマクロはそのまままでは動作しない可能性がある。また、「V8」エンジンはマクロを非同期実行するため、「JScript」よりも動作が遅くなる可能性がある。そのため、「V8」エンジンを利用するオプションは既定で無効化されているが、いつまでも「JScript」や古いスクリプト仕様を利用し続けるわけにもいかないため、将来的には既定で有効化される可能性もある。「EmEditor」でJavaScriptマクロを利用している場合は、移行の準備を進めたほうがよいだろう。
また、HTMLをプレビューする「Web プレビュー」プラグインも「WebView2」コントロールに対応しているとのこと。こちらはマクロと異なり、既定で有効化されている。プラグインのプロパティで、ブラウザーエンジンを切り替えることも可能。
そのほかにも、本バージョンでは以下のコマンドが追加された
- 選択範囲の分割文字列の並べ替え/重複の削除:カンマやスペースで区切られたテキストを並び替え
- 列の並べ替え:以前は行しか並べ替えられなかったが、行にも対応
- 列の管理:[列を移動/コピー]コマンドを強化の上、置き換え
また、数値範囲表現では、日付に区切りなしフォーマット(例:yyyyMMdd)をサポート。[クラッシュ レポート]ダイアログのデザインが改善され、「EmEditor」から直接メールできるようになった。選択範囲の文字数を数える処理はSIMD命令セットで書かれたマルチスレッドコードで行われるようになり、2倍以上の高速化が図られている。この3点に関しては、無償の「Free」版でも利用可能だ。
「EmEditor Professional」は、Windowsプラットフォームで定番のテキストエディター。プラグインで機能を拡張できるのが特徴で、CSVデータを扱うための機能も非常に充実している。永久ライセンスで40,040円、年間サブスクリプションで6,160円の有償ソフトだが30日間の試用が可能で、試用期間後は個人利用に限り機能制限のある無償版「EmEditor Free」として使用できる。また、「Microsoft Store」から入手できるストア版も用意されている。
からの記事と詳細 ( 「EmEditor」がJavaScriptエンジン「V8」に対応、最新仕様のJavaScriptが利用可能に - 窓の杜 )
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