Wednesday, November 29, 2023

マツダ「ロータリーエンジン車」が11年ぶりに復活! 「RX-8」以来の「ロータリーサウンド」はどう違う - au Webポータル

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マツダは、ロータリーエンジンを発電機として使用する「MAZDA MX-30 ロータリーEV」を2023年11月より発売しました。公道で試した「ロータリーサウンド」は、かつてのロータリースポーツカーからどう進化したのでしょうか。

「ロータリーサウンド」=「高音」とは限らない!?

 ついに、新型ロータリーエンジン「8C」のサウンドを味わうことができました。
 
 マツダが2023年11月より販売を開始した新型「MX-30 ロータリーEV」を公道でじっくり走らせることができたのです。

11年ぶりに復活! ロータリーエンジンを搭載した「MX-30 ロータリーEV」

11年ぶりに復活! ロータリーエンジンを搭載した「MX-30 ロータリーEV」

 新型MX-30 ロータリーEVは、EVの「MX-30 EV」をベースに、8C型ロータリーエンジン 1ローターを発電機として使う、いわゆるレンジエクステンダーです。

 さらに、レンジエクステンダーでありながら外部から給電できるPHEV(プラグインハイブリッド)である点が、世界でも珍しい存在だと言えます。

 新型MX-30 ロータリーEVの技術的な詳細については、同モデルの予約受付が開始された2023年9月より少し前に、マツダが広島本社で開催した商品説明会で詳しく聞きました。

 マツダ宇品工場で8Cの部品加工工程や組立工程、さらにはMX-30 EVと同ロータリーEVの電池パックを搭載する車両組立ラインも詳しく視察しています。

 その際、最も気になっていたのは8Cのサウンドだったのですが、実車が8C作動状態で走行する様子を確認する機会はありませんでした。

 唯一、8Cの音を聞いたのは、エンジン組立の最終工程での仮ベンチテストでしたが、その際の音は「やや低め」という印象を持ちました。

 一般ユーザーにとってロータリーエンジンは「甲高いエキゾーストノート(排気音)」というイメージが強いでしょう。

 実際、マツダが9月に富士スピードウェイで実施した全国規模のマツダファンミーティング「ファンフェスタ 2023」でも、1991年ルマン24時間総合優勝を果たした「787B」がメインストレートを甲高い音で駆け抜けていきました。

 同マシンには、3ローターの「20B」が搭載されています。

 また、「ロータリークーぺ」、「RX-3」、「RX-7」などマツダ歴代スポーツカーのレーシングマシンやチューニングカーでは、「10A」や「12A」、そして「13B」などでの高回転で甲高い音の印象が強く残っている人が少なくないでしょう。

 ただし「マツダ100年史」によると、ロータリーエンジンはシングルローターでは低い音がするということです。

 そうした情報をもとに、8Cサウンドへの期待を込めてMX-30 ロータリーEVを約3時間、高速道路や一般道で走らせてみました。

音の印象は、3つの走行モード(EV/ノーマル/チャージ)で違いがありました。

 またバッテリーの残量(SOC:ステート・オブ・チャージ)によっても、違いを感じたのです。

 SOCが高い状態で、アクセルを強めに踏んで加速してみました。

 EVモードではEV走行が続きます。

 次にノーマルモードでは、走行速度が高くなると、かすかに8Cが始動したような感じがしますが、「エンジンがかかった」という唐突さはありません。

 EVモードに対して「8Cサウンドが乗っかってくる」感じです。音色としては甲高さはありませんが、けっして低過ぎるといった印象でもありません。

 EVモーターとロータリーのサウンドは「相性が良い」と言えます。

 充電を重視するチャージモードで、同じように加速してみると、8Cの音量が少し多めになったような印象がありました。

「2ローター化」すればサウンドはさらに高音へ変化する!?

 試乗後、ロータリーエンジン開発担当者に話を聞いたところ、8Cは作動すると最低でも2300rpm(1分間に2300回転)になります。

 SOCが高めで加速した場合、ノーマルモードでは3000rpm程度、またチャージモードでは最大で4500rpmまで達するとのことです。

「8C」型新ロータリーエンジンは、薄型で高出力なジェネレーター、高出力モーターと同軸上に一体化することでコンパクトなレイアウトを可能としました

「8C」型新ロータリーエンジンは、薄型で高出力なジェネレーター、高出力モーターと同軸上に一体化することでコンパクトなレイアウトを可能としました

 一方でSOCが50%を切ると、充電するために8Cが作動する機会が増えます。

 ノーマルモードの場合にはSOCの45%を維持するように、8Cがかかったり、切れたりを繰り返していました。

 マツダによると、ノーマルモードでは時速40キロから50キロで8Cをかけるようにしているとのこと。

 これは住宅地での走行を念頭に、できるだけ車速が上がってから8Cをかけたいというエンジニアの思いが込められています。

 こうした時速40キロから50キロの走行では、先に紹介した高速道路におけるSOC高め/アクセル強めという車速に比べて、走行音など周辺の音が少ないため、8Cの存在感が若干増します。

 しかし音量レベルとしてはあまり気にならない印象でした。

 それがチャージモードになると、SOC 50%以下では積極的に充電することもあり、時速20キロから30キロ程度で8Cが作動します。

 こうした場合でも、最低回転数は2300rpmなのですが、周囲の音が少なく、さらに継続的に作動するため、8Cの存在感はさらに増します。

 その場合の音の印象は、「エンジンとして高いまたは低い」というより「充電設備の音」といった印象です。

 このように、8Cは走行環境によって音の印象が変わると言えるでしょう。

※ ※ ※

 マツダによると「2ローター化することで、周波数レベルとしては高めになる」とのこと。

 8CはMX-30 EVのモーター出力に対応した、発電機としての出力と搭載スペースを考慮して設計されたものです。

 将来的にモーター出力がさらに上がり、また搭載スペースについても最初から2ローターを念頭に置いた車体設計をすれば、8Cよりも高めの音のロータリーエンジン発電機になることが予想されます。

 いずれにしても、ロータリーエンジンを発電機として使うEVは、唯一無二の存在です。

 マツダが今後ブランドを維持していくためのキーファクターとなることは間違いありません。

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