丸山製作所は100%水素ガス燃料を使う小型作業機用2ストロークエンジンの安定運転に成功した。小型作業機用2ストロークエンジンでは世界初としている。自社のエンジンブロワー用に生産している80ccの2ストロークガソリンエンジンをもとに試作機を開発し、試験ベンチ上で実際のエンジンの使用回転域で低負荷・高負荷で安定運転を実現した。今後、小型化などを進めて2024年2月までに屋外で作業可能な実証機を製作する。
開発したエンジンは園芸・農業・林業などで用いる小型屋外作業機(OPE)に搭載可能。水素は燃焼しやすいため、ベースのガソリンエンジンの燃料噴射の見直しなどで異常燃焼を防ぐなど改良を施した。出力もガソリンエンジンと同等の水準を達成した。
燃焼後の排出ガスは酸素と反応して水蒸気として排出するため、大幅なクリーン化が可能。安定運転に成功した試作機は外部設備から水素を供給して運転しているが、今後はカセットボンベ方式の採用や、手で持ったり背負ったりして作業が可能なように小型・軽量化を進める。汎用性が高いため多様な製品の動力源としての可能性も探る。
同社は林業・農業用機械を開発製造する。OPEは電動化が進んでいるが、高負荷・長時間作業が必要なプロ向けの作業では全ての分野に対応できないため、水素エンジンを開発した。今後も環境負荷低減と実用性・作業性を両立した水素利用研究を進める方針だ。
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