トヨタがオーストラリアで実証実験中の水素エンジン搭載のハイエース(海外仕様)を報道陣に公開した。なんたってこのハイエース、V6ターボ水素エンジンを搭載しているからパワフル!! 実はこの水素エンジンのパッケージ、とてつもない可能性を秘めているぞ。
文/写真:ベストカーWeb編集部
■すでに走り始めている水素ハイエース
トヨタは2023年11月11日、オーストラリアで水素エンジン搭載のハイエースによる実証実験を開始したと発表した。これまで乗用車への水素エンジン搭載についてテストを進めてきたトヨタだが、ついに商用車にも水素エンジン搭載を進めることになる。
すでに2023年10月24日からオーストラリアのメルボルンで、建設会社と警備会社による実証実験をしている。オーストラリアは広大な国土からもわかるように、一本道を入ると未舗装路があったりとバリエーション豊かな道路が多い。
建設会社と警備会社を選定するあたりは、さすがのトヨタという感じだ。水素ハイエースはV6ターボ水素エンジンを搭載、水素タンクはMIRAI用のタンクを3本流用している。
2800kgの車重となるがおおよそ200kmの走行ができるという。最高出力は120kW(163ps)、トルクは354Nm(36.0kgm)を発揮する。元のディーゼルエンジンと遜色のないスペックを誇る。
■実際に乗っても違和感がまったくない
水素エンジンは日々改良が進んでいる。今回のV6ターボ水素エンジンはまさに熟成の域といった感じで、10ATとの組み合わせによりスムーズな変速ができる。
アクセルをいわゆるベタ踏みをする機会も恵まれたが、もちろんスポーツカーのようなシャープな加速というわけにはいかないが、高速道路での合流などのシーンを想定しても力不足の印象はまったくない。
低速域でもギクシャクしそうなシーンを探してみたが、発進から停止の瞬間までその細かなエンジン制御はうまくまとまっている。フル加速時にもう少しパンチがあればなぁ、と思うのはクルマ好きの悲しい性だと思うが、それはまた別の車種を楽しみに待とう。
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