Wednesday, November 8, 2023

IHIが上期1570億円の営業赤字、航空機エンジンのトラブルが影響 - ITpro

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 IHIは2023年11月7日、同社が開発に参画した民間航空機エンジン「PW1100G-JM」の部品に不具合が見つかった件で、補償費用や追加整備費用などとして1583億円の営業損失を計上したと公表。これを主な要因として、2023年度上半期(4~9月)決算は、営業損益が1570億円の赤字となった。

不具合が発覚したエンジン「PW1100G-JM」(左)と、同エンジンを搭載する欧州Airbusの民間航空機「A320neo」(右)

不具合が発覚したエンジン「PW1100G-JM」(左)と、同エンジンを搭載する欧州Airbusの民間航空機「A320neo」(右)

(写真左:米Pratt & Whitney、写真右:欧州Airbus)

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2023年度第2四半期連結決算の概要

2023年度第2四半期連結決算の概要

PW1100G-JMのトラブル対応として1583億円の特別損失を計上。このほか、IHI子会社が工事遅延により発生した追加費用に関する訴訟を受けた件で、和解合意による影響として146億円の特別損失が加わった。(出所:IHI)

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 今回の航空機エンジンのトラブルは、2015年から2021年にかけて米Pratt & Whitney(プラット・アンド・ホイットニー)が製造した同エンジンの粉末冶金部品において、まれに異物が混入していたことに端を発している(関連記事参照)。

 同エンジンの共同開発プログラムに約15%のシェアで参画したIHIは、本事案で発生する顧客への補償や整備費用など総額約70億米ドル(約1兆円)のうち、同社シェア分を当期決算に計上した。

粉末冶金 金属の粉末を金型に入れてプレス機で圧縮し、高温で焼結することで部品を成形する製造方法。

一過性の問題、経営目標に変更なし

 IHI代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)の井手博氏は11月7日の決算会見で、「今回の事案は一過性であり、次期(2024年度)以降の追加計上はない」と説明した。2025年度までの経営目標についても変更はない。航空機エンジン事業を含む、「成長事業への重点的な投資の方針は変えない」(井手氏)という。

 ただし、営業キャッシュフローへの影響は2026年ごろまで残るもようだ。今後は経営原資の確保に向けて、費用の削減や投資の優先順位見直しに加え、固定資産の売却も視野に入れ、財務状況の回復を図る。

IHI代表取締役社長CEOの井手博氏

IHI代表取締役社長CEOの井手博氏

「今回の巨額の損失を重く受け止め、回復に向けて全社を挙げて取り組む」と述べた。(出所:オンライン説明会の画面を日経クロステックがキャプチャー)

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