- 2020/06/04
- MotorFan編集部 近田 茂
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ズバリH2 SXのネイキッドモデルである。その名も“Z H2”! カワサキブランドを象徴する「Z」の称号と、誰もが認める世界最強最速マシン「H2」のパワーユニットを融合して誕生。2020年4月4日に新発売された。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力⚫️カワサキモータースジャパン
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カワサキ・Z H2.......1,892,000円
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3月末に発表されたカワサキZ H2のプレスリリースによれば、「Zシリーズのフラッグシップモデルとして誕生」と記されていた。次世代型Zの登場である。
何と言っても最大の特徴はバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載している点にある。その最高出力は147Kw(200ps)を発揮する。市販車にしてリッター当たり200psの高性能ぶりには、やはり大きなインパクトがある。
ちなみにその最高出力データはサーキットを征すコンセンプトを掲げてデビューしたヤマハYZF-R1と同じ。同様に本気で頂点のハイパフォーマンスを追求して投入されたホンダCBR1000RR-Rの160Kw(218ps)には及ばない物の、Z H2はどれよりも低い回転域でそれを発揮している。ちなみに最高出力回転数はCBRが14,500rpm。YZFは13,500rpm。そしてZ H2は11,000rpmだ。
そして何よりも驚くべきは、最大トルクの太さだ。CBRもYZFも共に113Nmをそれぞれ12,500rpmと11,500rpmで発揮。対するZ H2の最大トルクは137Nm(14kg・m)を8500rpmで発揮してしまう。まさに過給パワー恐るべしなのである。
もうひとつ興味深いのは、基本的に共通エンジンを搭載するH2 SXと比較すると最大トルクの発生回転数はH2 SXの9,500rpmに対して、Z H2は8,500rpmに低くなっている事。さらにドリブンスプロケットが2丁大きな46丁を装備して二次減速比がH2 SXの2.444からZ H2では2.555へと低められていた。吸排気系とバルブタイミングはオリジナル設定だ。
つまり本来のポテンシャルを発揮できる領域が、より常用域に近づけられている。その結果、最大級のスロットルレスポンスが期待できるという点が見逃せないのである。
それはまさに、自分で走らせることができる地上の乗り物の中で、世界最速レベルのポテンシャルを備えていることを意味している。日本において、そんなハイパフォーマスを遺憾なく発揮して楽しめる公道は残念ながら無いのも事実だが、トップレベルのエンジン搭載にはロマンと魅力があふれているに違いない。
同時にそれはゆとりある走りを楽しむ事へ、ライダーマインドの成長を促してくれる要素になってくれるのかもしれない。
お利口さんだから許されたものすごいパワー。その仕上がりは決して乱暴者ではない。
足つき性チェック(身長168cm)
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