週明け８日の東京株式市場で、日経平均株価（２２５種）は１９９０年８月以来、３０年６か月ぶりに２万９０００円の大台を回復した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて各国が巨額の財政出動を続けており、景気回復が早まるとの期待が相場を支えている。午前の終値は前週末終値より５９８円９９銭高い２万９３７８円１８銭だった。
上げ幅は一時、６００円を超えた。バイデン政権が掲げる追加経済対策の実現への期待から、前週末の５日に米株式相場が上昇した流れを引き継いだ。欧米を中心に新型コロナのワクチン接種が始まり、経済活動の正常化が近いとの見方も投資家心理を支えている。
日本でも主要企業の２０２１年３月期の業績見通しで、ソニーや任天堂など、過去最高益の更新を予想する企業が相次いでおり、相場の追い風となっている。
日経平均は昨年３月に１万６５５２円まで下落したが、わずか１１か月で約１万３０００円値上がりした。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「相場はやや過熱感もあるが、企業の好業績で投資家が自信を深めている。日経平均は３万円台回復が現実味を帯びている」としている。
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