Monday, February 15, 2021

名車ZはV6が支え続けた!! ZとV6エンジンが歩んだ歴史と未来 - ベストカーWeb

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 フェアレディZは「手軽で扱いやすいスポーツカー」として世界に影響を与えた初代モデルと2代目モデルは直6エンジンを搭載していたが、3代目モデル以降はV6エンジンを搭載するようになり、フェアレディZとV6エンジンの関係はすでに40年近い。

 当記事では昨年9月にプロトタイプが発表され、次期モデルの登場も近づいていることもあり、エンジンを中心にV6エンジン搭載のフェアレディZを振り返ってみた。

文/永田恵一、写真/NISSAN

【画像ギャラリー】V6エンジン搭載フェアレディZの歴史を写真で見る!!


■3代目モデル(Z31型、1983年登場)

初めてV6エンジンを積んだ1983年登場の3代目モデル(Z31型)

 3代目フェアレディZは日本車が1970年代のオイルショックや排ガス規制による後遺症から立ち直り始めていた時期に開発されていたモデルだったこともあり、速さに代表されるパフォーマンスを一気に向上させることが大きなコンセプトだった。

 という背景もあり、初代と2代目のフェアレディZに搭載されたL型直列6気筒ではパワーアップに対応できず、3代目フェアレディZは同じ1983年に登場したY30型セドリック&グロリアでデビューした新開発となるVG型V6エンジンを搭載した。

 3代目フェアレディZの初期モデルに搭載されたV6エンジンは200ZXの2リッターSOHCターボのVG20ET(グロス値で170馬力&22.0kgm)と、300ZXの3リッターSOHCターボのVG30ET(グロス値で230馬力&34.0kgm)の2つだ。

 特に後者はトヨタが1986年に初代スープラと2代目スープラに搭載した、グロス値に対し実馬力に近い測定方法となるネット値で230馬力の7M-GTE型3リッター直6DOHCターボが登場するまで日本最強のスペックを誇った。

VG30ETエンジン。登場当時日本最強のスペックを誇った

 3代目フェアレディZのモデルサイクル中、日産の6気筒エンジンには1984年登場の5代目ローレルでL型直列6気筒の後継となるRB型も登場し、翌1985年登場の7代目スカイラインで2リッター直6DOHCターボのRB20DETが加わった。

 そのため3代目フェアレディZにも、1985年に世界初のアクセル操作に対するレスポンスに優れるセラミックタービンを使ったRB20DET搭載の200ZRが追加されたのだが、このことにはチグハグに感じるところもあった。

 その後3代目フェアレディZは1986年のビッグマイナーチェンジで2リッターV6SOHCターボを廃止したが、その際には3リッターV6DOHCのVG30DE(190馬力&25.5kgm)を搭載する300ZRが追加された。

 3代目フェアレディZはエンジンこそ新しかったものの、車体やサスペンションは新しいものではなかったため時間が経つにつれ古さが目立つようになったが、それはそれでフェアレディZらしい個性でもあった。

■4代目モデル(1989年登場、Z32型)

バブルという時代背景のなか登場した4代目モデル(Z32型)

 元号が昭和から平成へ変わる頃の日本はバブル景気もあり、クルマも含めすべてが上り坂だった。

 そんな時代背景もあり、4代目モデルのフェアレディZもグラマラスなエクステリアや日産のFR車がそれまで20年以上使っていたフロント/ストラット、リア/セミトレーリングアームから新世代の四輪マルチリンクサスペンションを採用するなどした。

 いい意味で軟派な面も持つラグジュアリーなスポーツカーに生まれ変わったというわけだ。

コンバーチブルモデルも登場した。装備もエクステリアもいい意味で軟らかくなった

 4代目フェアレディZに搭載されたエンジンも3代目モデルと同じ3リッターV6のVG型ではあったが、大改良を受けNAのVG30DEは230馬力&27.8kgm、ターボはツインターボ化されたVG30DETT(280馬力&39.6kgm)を搭載し、性能を大幅に向上。

 また3リッターV6ツインターボ搭載車は同じ1989年に日産から登場したR32型スカイラインGT-R、インフィニティQ45ともに日本最強280馬力トリオを形成した。

 4代目フェアレディZは1992年に3リッターV6NAを搭載したコンバーチブルを追加した後は、バブル崩壊による景気と日産自体の低迷により販売も激減。何度かの小さな改良を受けながら細々と生産されるようになり、フェアレディZ自体が2000年に一度絶版となった。

■5代目モデル(2002年登場、Z33型)

日産経営再建のシンボルとして登場した5代目モデル(Z33型)

 5代目フェアレディZは、日産が1999年のルノーとの資本提携後に開始した経営再建に向けたリバイバルプランのシンボル的存在として2002年に復活する形で登場した。

 5代目フェアレディZの成り立ちは2001年登場の11代目スカイラインでデビューした、V6エンジンをフロントミッドに搭載したFRで、4ドア車では広いキャビンとラゲッジスペースを確保するなどし、汎用性の高さも持つFMプラットホームを使ったスポーツカーである。

 5代目フェアレディZの初期モデルの価格はFMプラットホームの汎用性の高さもあり消費税抜き300万円からと、初代フェアレディZにも通じるリーズナブルなものだったこともセールスポイントの1つだった。

エンジンをスカイラインと共有したことで価格を抑えることにも成功した

 なお、フェアレディZは4代目モデルまで2人乗りの2シーターと小さなリアシートを持つ2by2を設定していたが、5代目モデルから2シーターのみとなった。

 4代目フェアレディZに搭載されたV6エンジンは、中期モデルまで当時の日産の高額車に幅広く搭載されたVQ35DE(280馬力&37.0kgm)だった。VQ35DEは2005年の35周年特別仕様やマイナーチェンジモデルで294馬力にパワーアップされるなどの改良を受けた。

 また2007年1月の一部改良ではFR車用のVQ35エンジンが、前年の2006年に登場した12代目スカイラインから大排気量エンジンながら7500回転という高回転まで対応するなどの大改良を受けたVQ35HRに移行したこともあり、5代目フェアレディZにも搭載された(313馬力&36.5kgm)。

 さらに5代目フェアレディZには2007年6月に市販車に近いレースカテゴリーとなるスーパー耐久参戦のため、VQ35HRを3.8リッターに拡大したレーシングカーであるバージョンニスモタイプ380RSコンペティションをロードカーとしたバージョンニスモタイプ380RSも300台限定で追加している。

■6代目モデル(2008年、Z34型)

現行型である6代目モデル(Z34型)

 2008年に登場した現行型となる6代目フェアレディZは5代目モデルからキープコンセプトでのフルモデルチェンジだったが、ホイールベースを100mm短縮し、全長が短くなったことも大きな特徴だ。

 エンジンは前年となる2007年登場の2代目スカイラインクーペでデビューした、出力制御をスロットルバルブではなく吸気バルブのリフト量で行うことで出力と燃費を向上させたVVEL機構を採用した3.7リッターNAのVQ37VHR(標準モデルで333馬力&37.2kgm)を搭載。

 なお、よりスポーティなニスモに搭載されるVQ37VHRは355馬力&38.1kgmにパワーアップされている。

3.7リッター自然吸気のVQ37VHRエンジン

 また、現行型6代目フェアレディZのパワートレーンでは7速ATの搭載や、6速MTではシフトダウンの際に回転を合せるためのブリッピング(空吹かし)をクルマが行ってくれるシンクロレブコントロールを世界初採用した点も話題となった。

 現行型6代目フェアレディZはニスモやコンバーチブルの追加はあったものの、現在コンバーチブルはラインナップ落ちしており、大きな改良はなく、小規模な改良を繰り返しながら現在も販売されている。

■次期型7代目モデル(2022年?、Z35型)

昨年発表された次期型フェアレディZプロトタイプ。歴代Zの印象的なデザインを現代風にアレンジして受け継いでいる

 昨年9月に突如発表された次期型となるフェアレディZのプロトタイプは、まず初代フェアレディZのフロントマスクやシルエット、4代目フェアレディZのテールランプを思い出させるエクステリアと液晶メーターを使うなどした近代的なインテリアが目を引く。

 プラットホームは現行型6代目モデルのものを引き継ぐ模様で、設計時点の古さは否めないにせよ、各部の改良により運転する楽しさを高次元な速さで両立するに違いない。

 搭載されるエンジンもV6ツインターボということしか公表はされていないが、ビッグマイナーチェンジ後の現行スカイラインに搭載されるGT-Rのエンジンの排気量を縮小し直噴化したVR30DDTTとなるのが確実だ。

 スカイラインの標準(304馬力)と400R(405馬力)のようにチューニングが異なるものを設定する可能性も十分ある。

■まとめ

エンジンについてはV6ツインターボということしか公表されていない。どんなテイストになるのか楽しみだ

 次期モデルのプロトタイプが発表された際の注目の高さからも分かる通り、やはりフェアレディZは日産にとってGT-Rと並ぶシンボルである。それだけに次期モデルの登場は待ち遠しく、次の情報公開を楽しみに待ちたいところだ。

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