[ロンドン 1日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は1日に公表した四半期報告で、ここ1カ月続いている世界の債券市場での金利急上昇で、金融市場の見通しが完全に変わることになるかもしれないと指摘した。個人投資家によるゲームストップ株などの乱高下により、市場のボラティリティーが高まっているとも言及した。
ただ大きな変化は、世界の債券市場に影響を与える米国債市場でみられる。もし新型コロナウイルスワクチンにより今年経済が通常に戻れば、前例のない新型コロナ支援策がインフレを引き起こすとの見方から米国債利回りが上昇している。米指標10年債利回りは先週、1.6%を超え、年初からの上昇は70ベーシスポイント(bp)近くとなった。これを受け欧州や日本などの国債利回りも上昇した。
BIS金融経済局のクラウディオ・ボリオ局長は「最近の市場の神経質な動きは、債券利回りの上昇やリフレ取引が金融市場の見通しを完全に変えていることを示す」と話した。
エコノミストはこうした現象を、バーナンキ元連邦準備理事会(FRB)議長が債券購入ペースの縮小を示唆した直後に市場が荒れた、2013年の「テーパー・タントラム(かんしゃく)」と比べている。ボリオ局長は、今回タントラムが長期化するかどうかは、世界経済が素早く加速するか、また、主要な中央銀行が債券利回りの上昇にどのように対応するかにかかっていると話す。
パウエルFRB議長は先週、近いうちに景気刺激策を縮小することはないと述べた。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も同様のメッセージを発している。ただ米国は1兆9000億ドル規模の景気刺激策で合意したところだ。ボリオ氏は、インフレの抑制と金融市場の安定の面から、中銀が「債券利回り上昇が中銀の目標にどのように影響するかを検討し適宜対応しなければならない」と述べた。
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