misaltag.blogspot.com
4WDホイールのビッグネームとして君臨する、4×4エンジニアリングサービスの「BRADLEY (ブラッドレー) 」。4WD車ユーザーなら知らないものはいないホイールブランドとして広く普及しているのはご存じの通り。
そんなブラッドレーが今年でデビュー40周年を迎えた。近年のSUV、4WDの人気にも後押しされて、ブラッドレーに注目が集まっている今、改めてその進化の歴史を振り返ってみた。
ブラッドレー開発のきっかけは、競技で戦える“JAPAN MADE”の4WDホイール
ブラッドレーの開発がスタートしたのは1982年のことだった。きっかけは当時悪路を走るラリー競技で用いるホイールの多くは海外製で、日本製ホイールで日本車向けのオフロード走行に特化したモデルはほぼ存在しなかったからだ。
BRADLEY 01&03 (1983年) / 当時アメリカで流行しはじめたマルチピース構造をいち早く採用
そこでブラッドレーの名を冠した、初号機として登場したのが「ブラッドレー01(5本スポーク)」/「ブラッドレー03(メッシュ)」だった。鋳造3ピース構造で作られたホイールは高い強度と軽量を兼ね備えた設計が施された。そんなブラッドレーのデビュー作で印象的なのは、その後のブラッドレーの代名詞ともなる「5本スポーク」のデザインが既に採用されていた点だろう。ここからブラッドレーの歴史は始まった。
その後、1985年にはブラッドレー史上初の鍛造モデル「ブラッドレー05」が登場。さらに鍛造3ピースモデルの「ブラッドレー02」は、当時 (1987年) 4WD車の人気モデルとなっていた、いすゞ『ビッグホーン』に純正採用される。
海外ラリーの挑戦は一筋縄ではいかず、参戦当初は苦戦を強いられたことが開発陣に火をつけた
さらに海外ラリーなどで活躍するチームからの「ラリーで戦える強度があって軽量なホイールが欲しい」といった要望だった。こうしてラリーでも戦える国産4WDホイールの開発がスタートする。当初は鍛造3ピースのブラッドレー02で参戦したもののリムの強度面で苦戦。
その時パリダカ(現:ダカール)に出場していたteamACPの車両メンテナンスを4×4エンジニアリングサービスが担当したことから、ラリーレイドや砂漠の過酷な走行条件をフィードバックした、、コンペティションスペックのホイール開発がはじまった。そして1987年のパリ・ダカでの実戦経験を生かして開発が進み、ブラッドレーブランドから新たなホイールが生み出されることになる。
コンペティションスペックを満たすリムの強度を確保するため、1ピースホイールの開発へと着手する。そこでより強く・より軽くを徹底追求して鋳造1ピース構造を採用したのが、今もブラッドレーブランドを牽引する「ブラッドレーV」だ (1988年) 。
BRADLEY V (1988年) / 軽量・5本スポーク・鋳造1ピースで、当時の最先端となる16インチで登場。ロングセラーの大定番モデル
ブラッドレーVはブラッドレーを一躍ビッグネームに押し上げたエポックメイキングなモデルで、ブラッドレーの伝統となる5本スポークデザインを踏襲した。
狙い通りコンペティションモデルとしてのポテンシャルも高く、パリダカなどの海外ラリーでの活躍も盛んに報じられるようになり、ラリーで活躍するブラッドレーのイメージはインパクト十分。多くの4WDユーザーがその高性能に注目するきっかけになる。こうしてブラッドレーVは当時の『ランドクルーザー60』や『ハイラックスサーフ』など、4WDブームの黎明期を彩った車種に次々と装着されていく。
さらにブラッドレーVの先進性は設定サイズにもあった。'80年代後半、4WDホイールの主流は15インチだった。しかし走破性の高さから海外では16インチが隆盛を見せていた。それを見越した同社は、ブラッドレーVを16インチメインで開発して展開したのだ。これも時流を捉えた設定となり一躍人気ホイールとなっていく。
海外ラリーを戦い抜くうえで、1ピース構造の『ブラッドレーV』が誕生する
その後もブラッドレーは高性能モデルの開発の一方で、自動車メーカーの純正採用/オプション設定を数多く展開、ラリー向けのコンペティションモデルから一般の4WDユーザーにも広く知らしめる役割を担っていくことになる。
“国産4WDホイール”というジャンルを開拓したブラッドレーは、すぐに多方面からの注目を集める。そしてモデルバリエーションも定期的に拡大する、有力ブランドへと成長していったのだ。
4WDブームを代表する定番ホイールへと成長していく黎明期
'90年代に入ると『パジェロ』や『ランドクルーザー80』などが大ヒットを飛ばし、いわゆる4WDブームがやってくる。4WD車はそれまでのクロカン競技や林道走行などを楽しんでいた一部のヘビーデューティなマニア層に止まらず、ファミリーカーとして乗りこなすユーザーも数多く現れた。それに合わせるようにブラッドレーも多種多彩なモデルを次々デビューさせている。
BRADLEY VX (1993年) / 鋳造のデザイン性と鍛造の強度を兼ね備えた「スクイーズプロセス」初採用
当時のシーンをよく現しているのがライト4WDとしてヒットしたトヨタ『RAV4』に「ブラッドレーVX」と呼ばれるモデルがディーラーオプション設定されたことだろう。シティ派オフローダーにもブラッドレーの硬派なイメージは受け入れられ、ラリーレイドで悪路も走破するホイール=ブラッドレーで愛車の足もとを飾りたいというニーズが高まったのもこの時期だった。
BRADLEY VZ (1995年) / スクイーズプロセス採用でブラッドレーとしては珍しい“6本スポーク”のモデル
一般ユーザーからの評価が高まりモデルバリエーションも増やしていったブラッドレーだったが、根幹にある軽量・高強度であるコンペで戦えるハイスペックなホイールというスピリッツは持ち続けていた。それを体現したのが1995年に登場した「ブラッドレーVZ」だ。スクィーズプロセス(鋳造製法ながら鍛造に近い強度を持たせた当時としては最新の製法)を初採用することで、従来の鋳造ホイールを超える高い強度を備えた。
当時のプロモーションでは、タイヤをパンクさせた状態やホイールのみで走行する様子を撮影し “曲がっても割れない”性能を備えることを実際のテストで証明している。これもラリーなどのコンペティションの世界で求められる究極の性能のひとつだった。加えて、「ブラッドレーVZ」は6本スポークのデザインを採用した点も印象的。その当時は既に“ブラッドレー=5本スポーク”のイメージが確立していたのだが次世代の定番デザインを模索していた時期だった。
高性能を念頭に置き、硬派な設計思想を貫き続けたブラッドレー
'90年代後期~'00年代には4WDはよりドレスアップ色が強くなっていく。20インチを超える大径ホイールなどを履きこなすカスタム車両も登場するなど、4WDシーンは多様化を続けた。しかしブラッドレーは頑なに硬派な高性能4WDホイールの開発を続ける。
BRADLEY V Evolution (2009年) / 「MAT PROCESS製法」を初採用、鋳造ながら鍛造なみの強度高剛性・圧倒的な軽量化を実現
その象徴的なモデルとなったのが2009年に登場した「ブラッドレーVエボリューション」だ。コンペティションを楽しむ多くのユーザーに愛されていたスズキ『ジムニー』にターゲット絞り、軽量・高剛性をさらに高めたモデルとしたのだ。同ホイールを装着したジムニーはアジアクロスカントリーラリーにも参戦し、高い成績を残しその高性能を証明している。
その後も今もヒットモデルとしてラインアップされる「ブラッドレーπ」が2010年に登場。大きくラウンドした5本スポークで、大型キャリパーの逃げも確保することも人気の秘密になっているモデル。
BRADLEY FORGED 匠 (2021年) / 史上最強のブラッドレーとして君臨し、鍛造1ピース構造と専用車種設計によってベストマッチングを実現
そして2021年には最強・最高峰のブラッドレーとして、ブラッドレーVを鍛造モデルへと昇華した「ブラッドレー フォージド 匠」がデビュー。鍛造である点からも同ブランドのフラッグシップモデルであることは違いない。同時に、鋳造モデルである定番のブラッドレーVの高性能をあらためて感じることができるアイコニックな存在となった。
4WDホイールとしてパフォーマンスの高さを追求し続けてきた4×4エンジニアリングサービスのブラッドレー。ラリーの過酷な条件でも耐える要求から生まれたホイールは高性能を追求し続け、長年多くのユーザーに評価され40周年を迎えた。
BRADLEY V / 24th BRADLEY CUP CHALLENGE
4WDの悪路走行をイメージさせる硬派なイメージは、ラインアップされる各モデルからも感じられる。4WD界の近年のビッグニュースとなった『ランドクルーザー300(GRスポーツ)』の登場で“オフロード性能”があらためてクローズアップされている現在、時代がブラッドレーの設計思想に近づいてきていることを感じさせる。
もちろんランクル300用のブラッドレーも鋭意開発中ということで、ランクルオーナーならずとも要チェック!すべての4WDユーザーは、そのラインアップを今一度注目してみると良いだろう。
4x4エンジニアリング『ブラッドレー40周年』特別ページはこちら
Adblock test (Why?)
からの記事と詳細 ( 40年続くのには理由がある!4×4エンジニアリングサービス『ブラッドレー』の歴史 - レスポンス )
https://ift.tt/UwXB6hf