Saturday, April 30, 2022

「エンジン止まり航行できない」の通報は乗客の携帯から…観光船の通信手段は不通か : 社会 : ニュース - 読売新聞オンライン

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 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、運航会社「知床遊覧船」が申請していた陸上との通信手段が、航路の一部が通話エリア外とされる携帯電話だったことが30日、国土交通省への取材でわかった。事故当日の同船からの118番は、乗客の携帯電話から発信されていたことも、捜査関係者への取材で判明。海上保安庁と国交省は安全管理体制に不備がなかったか調べている。

 国交省によると、船舶安全法は、運航事業者に対し、陸上と常時つながる連絡手段として、衛星電話か携帯電話、無線のいずれかの使用を義務付けており、知床遊覧船は携帯を申請していた。

 しかし、捜査関係者によると、事故当日の4月23日午後1時18分頃、カズワンから「エンジンが止まり、自力航行できない」と118番があったが、発信元の番号は乗船名簿記載の男性の連絡先と一致し、携帯電話会社も申請とは別の会社だった。通報内容には船の故障部分や乗客の人数などが含まれ、乗員が借りて通報したとみられる。

 国交省によると、知床遊覧船が申請していた携帯電話会社は、航路上に通話エリア外の地域があり、電波が圏外だった可能性がある。

 事業者へのチェック体制の課題も浮かんだ。

 知床遊覧船は、元々、衛星電話を連絡手段として届けていたが、事故3日前の4月20日に携帯電話に変更。国交省の代行で検査を行う「日本小型船舶検査機構」の検査員が認めていた。

 検査員は申請された携帯は、航路に通話エリア外の地域があると認識していたが、豊田徳幸船長(54)から「海上でもつながる」と言われたほか、地元の漁業者からも使用可能と聞き、申請を認めたという。

 検査員の判断は内規に沿ったものだったが、国交省は対応が適切だったかを検証する方針。

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「エンジン止まり自力航行できない」の通報、乗客の携帯から…3日前届け出の携帯が圏外か - 読売新聞オンライン

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 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、事故当日に同船から発信された118番が、乗客の携帯電話からかけられていたことが30日、捜査関係者への取材でわかった。運航会社「知床遊覧船」は、船舶安全法に基づき、陸上との通信手段に携帯電話を申請していたが、電波が圏外だった可能性があり、国土交通省は安全管理体制に不備がなかったか調べている。

 捜査関係者によると、最初の118番は4月23日午後1時13分頃、北海道斜里町の別の観光船会社からあり、約5分後にカズワンからも「エンジンが止まり、自力航行できない」と通報があった。

 船舶安全法は、陸上と常時つながる連絡手段として、衛星電話か携帯電話、無線のいずれかの使用を義務付けており、知床遊覧船は携帯を申請していた。

 しかし、カズワンからの118番の発信元は申請とは別の携帯電話会社の番号で、乗客の男性のものだった。通報内容に船の故障部分や乗客の人数などが含まれ、乗員が借りてかけたとみられる。

 国交省によると、同社が申請していた携帯は、カズワンの航路上に通話エリア外の地域があり、電波が圏外だった可能性がある。

 一方で、国のチェック体制の甘さも浮かんだ。

 知床遊覧船は、元々、衛星電話を連絡手段として届けていたが、事故3日前の4月20日に携帯電話に変更。国の代行で検査を行う「日本小型船舶検査機構」の検査員が認めていた。

 検査員は航路に通話エリア外の地域があると認識していたが、豊田徳幸船長(54)から「海上でもつながる」と言われたほか、地元の漁業者からも使用可能と聞き、申請を認めたという。

 国交省は、検査員の対応が適切だったかを検証する方針。

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40年続くのには理由がある!4×4エンジニアリングサービス『ブラッドレー』の歴史 - レスポンス

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4WDホイールのビッグネームとして君臨する、4×4エンジニアリングサービス「BRADLEY (ブラッドレー) 」。4WD車ユーザーなら知らないものはいないホイールブランドとして広く普及しているのはご存じの通り。

そんなブラッドレーが今年でデビュー40周年を迎えた。近年のSUV、4WDの人気にも後押しされて、ブラッドレーに注目が集まっている今、改めてその進化の歴史を振り返ってみた。

ブラッドレー開発のきっかけは、競技で戦える“JAPAN MADE”の4WDホイール

ブラッドレーの開発がスタートしたのは1982年のことだった。きっかけは当時悪路を走るラリー競技で用いるホイールの多くは海外製で、日本製ホイールで日本車向けのオフロード走行に特化したモデルはほぼ存在しなかったからだ。

BRADLEY 01&03 (1983年) / 当時アメリカで流行しはじめたマルチピース構造をいち早く採用BRADLEY 01&03 (1983年) / 当時アメリカで流行しはじめたマルチピース構造をいち早く採用

そこでブラッドレーの名を冠した、初号機として登場したのが「ブラッドレー01(5本スポーク)」/「ブラッドレー03(メッシュ)」だった。鋳造3ピース構造で作られたホイールは高い強度と軽量を兼ね備えた設計が施された。そんなブラッドレーのデビュー作で印象的なのは、その後のブラッドレーの代名詞ともなる「5本スポーク」のデザインが既に採用されていた点だろう。ここからブラッドレーの歴史は始まった。

その後、1985年にはブラッドレー史上初の鍛造モデル「ブラッドレー05」が登場。さらに鍛造3ピースモデルの「ブラッドレー02」は、当時 (1987年) 4WD車の人気モデルとなっていた、いすゞ『ビッグホーン』に純正採用される。

海外ラリーの挑戦は一筋縄ではいかず、参戦当初は苦戦を強いられたことが開発陣に火をつけた海外ラリーの挑戦は一筋縄ではいかず、参戦当初は苦戦を強いられたことが開発陣に火をつけた

さらに海外ラリーなどで活躍するチームからの「ラリーで戦える強度があって軽量なホイールが欲しい」といった要望だった。こうしてラリーでも戦える国産4WDホイールの開発がスタートする。当初は鍛造3ピースのブラッドレー02で参戦したもののリムの強度面で苦戦。

その時パリダカ(現:ダカール)に出場していたteamACPの車両メンテナンスを4×4エンジニアリングサービスが担当したことから、ラリーレイドや砂漠の過酷な走行条件をフィードバックした、、コンペティションスペックのホイール開発がはじまった。そして1987年のパリ・ダカでの実戦経験を生かして開発が進み、ブラッドレーブランドから新たなホイールが生み出されることになる。

コンペティションスペックを満たすリムの強度を確保するため、1ピースホイールの開発へと着手する。そこでより強く・より軽くを徹底追求して鋳造1ピース構造を採用したのが、今もブラッドレーブランドを牽引する「ブラッドレーV」だ (1988年) 。

BRADLEY V (1988年) / 軽量・5本スポーク・鋳造1ピースで、当時の最先端となる16インチで登場。ロングセラーの大定番モデルBRADLEY V (1988年) / 軽量・5本スポーク・鋳造1ピースで、当時の最先端となる16インチで登場。ロングセラーの大定番モデル

ブラッドレーVはブラッドレーを一躍ビッグネームに押し上げたエポックメイキングなモデルで、ブラッドレーの伝統となる5本スポークデザインを踏襲した。

狙い通りコンペティションモデルとしてのポテンシャルも高く、パリダカなどの海外ラリーでの活躍も盛んに報じられるようになり、ラリーで活躍するブラッドレーのイメージはインパクト十分。多くの4WDユーザーがその高性能に注目するきっかけになる。こうしてブラッドレーVは当時の『ランドクルーザー60』『ハイラックスサーフ』など、4WDブームの黎明期を彩った車種に次々と装着されていく。

さらにブラッドレーVの先進性は設定サイズにもあった。'80年代後半、4WDホイールの主流は15インチだった。しかし走破性の高さから海外では16インチが隆盛を見せていた。それを見越した同社は、ブラッドレーVを16インチメインで開発して展開したのだ。これも時流を捉えた設定となり一躍人気ホイールとなっていく。

海外ラリーを戦い抜くうえで、1ピース構造の『ブラッドレーV』が誕生する海外ラリーを戦い抜くうえで、1ピース構造の『ブラッドレーV』が誕生する

その後もブラッドレーは高性能モデルの開発の一方で、自動車メーカーの純正採用/オプション設定を数多く展開、ラリー向けのコンペティションモデルから一般の4WDユーザーにも広く知らしめる役割を担っていくことになる。

“国産4WDホイール”というジャンルを開拓したブラッドレーは、すぐに多方面からの注目を集める。そしてモデルバリエーションも定期的に拡大する、有力ブランドへと成長していったのだ。

4WDブームを代表する定番ホイールへと成長していく黎明期

'90年代に入ると『パジェロ』『ランドクルーザー80』などが大ヒットを飛ばし、いわゆる4WDブームがやってくる。4WD車はそれまでのクロカン競技や林道走行などを楽しんでいた一部のヘビーデューティなマニア層に止まらず、ファミリーカーとして乗りこなすユーザーも数多く現れた。それに合わせるようにブラッドレーも多種多彩なモデルを次々デビューさせている。

BRADLEY VX (1993年) / 鋳造のデザイン性と鍛造の強度を兼ね備えた「スクイーズプロセス」初採用BRADLEY VX (1993年) / 鋳造のデザイン性と鍛造の強度を兼ね備えた「スクイーズプロセス」初採用

当時のシーンをよく現しているのがライト4WDとしてヒットしたトヨタ『RAV4』「ブラッドレーVX」と呼ばれるモデルがディーラーオプション設定されたことだろう。シティ派オフローダーにもブラッドレーの硬派なイメージは受け入れられ、ラリーレイドで悪路も走破するホイール=ブラッドレーで愛車の足もとを飾りたいというニーズが高まったのもこの時期だった。

BRADLEY VZ (1995年) / スクイーズプロセス採用でブラッドレーとしては珍しい“6本スポーク”のモデルBRADLEY VZ (1995年) / スクイーズプロセス採用でブラッドレーとしては珍しい“6本スポーク”のモデル

一般ユーザーからの評価が高まりモデルバリエーションも増やしていったブラッドレーだったが、根幹にある軽量・高強度であるコンペで戦えるハイスペックなホイールというスピリッツは持ち続けていた。それを体現したのが1995年に登場した「ブラッドレーVZ」だ。スクィーズプロセス(鋳造製法ながら鍛造に近い強度を持たせた当時としては最新の製法)を初採用することで、従来の鋳造ホイールを超える高い強度を備えた。

当時のプロモーションでは、タイヤをパンクさせた状態やホイールのみで走行する様子を撮影し “曲がっても割れない”性能を備えることを実際のテストで証明している。これもラリーなどのコンペティションの世界で求められる究極の性能のひとつだった。加えて、「ブラッドレーVZ」6本スポークのデザインを採用した点も印象的。その当時は既に“ブラッドレー=5本スポーク”のイメージが確立していたのだが次世代の定番デザインを模索していた時期だった。

高性能を念頭に置き、硬派な設計思想を貫き続けたブラッドレー

'90年代後期~'00年代には4WDはよりドレスアップ色が強くなっていく。20インチを超える大径ホイールなどを履きこなすカスタム車両も登場するなど、4WDシーンは多様化を続けた。しかしブラッドレーは頑なに硬派な高性能4WDホイールの開発を続ける

BRADLEY V Evolution (2009年) / 「MAT PROCESS製法」を初採用、鋳造ながら鍛造なみの強度高剛性・圧倒的な軽量化を実現BRADLEY V Evolution (2009年) / 「MAT PROCESS製法」を初採用、鋳造ながら鍛造なみの強度高剛性・圧倒的な軽量化を実現

その象徴的なモデルとなったのが2009年に登場した「ブラッドレーVエボリューション」だ。コンペティションを楽しむ多くのユーザーに愛されていたスズキ『ジムニー』にターゲット絞り、軽量・高剛性をさらに高めたモデルとしたのだ。同ホイールを装着したジムニーはアジアクロスカントリーラリーにも参戦し、高い成績を残しその高性能を証明している。

その後も今もヒットモデルとしてラインアップされる「ブラッドレーπ」が2010年に登場。大きくラウンドした5本スポークで、大型キャリパーの逃げも確保することも人気の秘密になっているモデル。

BRADLEY FORGED 匠 (2021年) / 史上最強のブラッドレーとして君臨し、鍛造1ピース構造と専用車種設計によってベストマッチングを実現BRADLEY FORGED 匠 (2021年) / 史上最強のブラッドレーとして君臨し、鍛造1ピース構造と専用車種設計によってベストマッチングを実現

そして2021年には最強・最高峰のブラッドレーとして、ブラッドレーVを鍛造モデルへと昇華した「ブラッドレー フォージド 匠」がデビュー。鍛造である点からも同ブランドのフラッグシップモデルであることは違いない。同時に、鋳造モデルである定番のブラッドレーVの高性能をあらためて感じることができるアイコニックな存在となった。

4WDホイールとしてパフォーマンスの高さを追求し続けてきた4×4エンジニアリングサービスのブラッドレー。ラリーの過酷な条件でも耐える要求から生まれたホイールは高性能を追求し続け、長年多くのユーザーに評価され40周年を迎えた。

BRADLEY V / 24th BRADLEY CUP CHALLENGEBRADLEY V / 24th BRADLEY CUP CHALLENGE

4WDの悪路走行をイメージさせる硬派なイメージは、ラインアップされる各モデルからも感じられる。4WD界の近年のビッグニュースとなった『ランドクルーザー300(GRスポーツ)』の登場で“オフロード性能”があらためてクローズアップされている現在、時代がブラッドレーの設計思想に近づいてきていることを感じさせる。

もちろんランクル300用のブラッドレーも鋭意開発中ということで、ランクルオーナーならずとも要チェック!すべての4WDユーザーは、そのラインアップを今一度注目してみると良いだろう。

4x4エンジニアリング『ブラッドレー40周年』特別ページはこちら

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新エンジンでリメイクされたWW2シューター『Deadly Dozen Reloaded』配信開始! - Game*Spark

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Ziggurat Interactiveは、2001年発売の第二次世界大戦スクワッドベースシューター『Deadly Dozen(デッドリー・ダズン)』のリメイク版となる『Deadly Dozen Reloaded』の配信を開始しました。

『Deadly Dozen』は野蛮で手に負えない軍の不適合者で構成されたエリート秘密部隊が、第二次世界大戦の危険な任務に挑むというゲーム。リメイク版の『Deadly Dozen Reloaded』は新エンジンによりグラフィックやオーディオがアップデートされるとともに、敵のAIを洗練し戦闘をより魅力的に。また乗り物の物理演算が見直され目的地へのドライブがより楽しく、よりリアルになっているとのこと。

クラシックな作品が現代に蘇る『Deadly Dozen Reloaded』はSteam/GOC.comにて3,090円/29.99ドルで配信中。ニンテンドースイッチ含むコンソール版は2022年夏にリリース予定です。

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Friday, April 29, 2022

新型ホンダ・シビックe:HEVが搭載する新開発エンジンは「燃費と走り」を両立する 2.0ℓ直4直噴アトキンソンサイクルエンジン - MotorFan[モーターファン]

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新型シビックe:HEVに搭載される2.0ℓ直4エンジンは、ホンダのエンジン技術の粋を結集して開発されたエンジンだ。厳しくなる燃費規制・排気規制を先取りし、2030年を見据えて作り上げられた新エンジン。その開発背景と技術について解説する。

2030年に向けて開発したエンジン

新エンジンの開発目標は
・2030年に向けた世界の自動車普及拡大・大幅に強化されるCO₂、エミッション規制に対応する。
・次世代を担う中型の中核ベースエンジンとして燃焼技術を刷新、1骨格でPHEV/HEV/コンベンショナルをカバーし、燃焼技術を共有する。
・高出力・世界トップレベルの熱効率/低エミッション技術を持つコストコンシャスでクリーンガソリンエンジンを開発する。
である。

ホンダの三部敏宏社長は「2040年にグローバルで4輪車を100%電動化する」「先進国トータルで2030年に40%、35年に80%がEVとFCVになる」との方向を語った。しかし、ホンダがいますぐにICE(内燃エンジン)の開発を停止するわけではない。計算すればわかるように、2030年には60%、35年でも20%はなんらかのICEを積んだ車両が販売される。そのための新しいICEは用意しなければならない。

しかし、エンジンを巡る状況は非常に厳しい。ひとつは法規制だ。燃費(つまりCO₂排出)と排出ガス規制はどんどん厳しくなる。EUでは2025年以降、2030年までに導入されるユーロ7排ガス規制と、さらに厳しいCO₂規制がある。北米ではLEV(ロー・エミッション・ビークル)4排ガス規制と連邦燃費規制の強化がある。中国はユーロ7に準じた「国Ⅶ」を導入する。日本にも2030年燃費規制がある。

ICEに求められる性能は、まず低燃費と有害物質低排出。これは必須である。しかし、最終的に市場が選択する自動車という商品に搭載する以上、楽しさも求められる。となると、必然的に選択肢はICEに何らかの電動駆動機構を合体させるHEV=ハイブリッド・エレクトリック・ビークルになる。

ホンダはどうするか?
その答えが、新型シビックe:HEVに搭載される新開発の2.0ℓ直列4気筒直噴エンジンである。
モーターやIPU(インテリジェントパワーユニット)、PCU(パワーコントロールユニット)を一新した次世代2モーターハイブリッドユニットと組み合わせて今後のホンダ車の中核をなす重要なパワートレーンになる。ホンダのハイブリッドシステムとしては「第4世代」にあたる。シビックなどCセグメント車からアコードなどのDセグメント車までを広くカバーするICEである。おそらく、組み合わせるモーターの出力やバッテリーの出力密度および搭載容量を変えることで、プラグインHEVへの対応も視野に入れているだろう。

新型ホンダ・シビックe:HEV

開発目標の中心は、前述した規制への対応がひとつ。ただし、すでに決定されている規制スケジュールだけでなく、その先に予想される規制も見据えている。もうひとつは中核エンジンとしての資質。電動機構との組み合わせとICE単体での使用の両方を柔軟にこなせる「中核ベースエンジン」としての性能である。

さらにもう一点、できるかぎりのコスト低減がある。排ガス対応デバイスを後付けすれば、その分は確実にコストアップになる。ここを抑えるためには、燃焼の基礎をしっかりと抑えなければならない。原理原則に立ち返った燃焼解析により後処理デバイスを最小限に抑える工夫が注がれている。

世界トップ級の熱効率を実現できた技術とは

新開発された2.0ℓ直4直噴アトキンソンサイクルエンジン

新エンジンのスペックを見てみよう。
エンジン形式:2.0ℓ直列4気筒DOHC
ボア×ストローク:81.0mm×96.7mm
排気量:1993cc
圧縮比:13.9
最高出力:141ps(104kW)/6000rpm
最大トルク:182Nm/4500rpm
燃料供給:燃料筒内直接噴射(DI)
最大噴射圧35MPa

従来の2.0ℓエンジンは
エンジン形式:2.0ℓ直列4気筒DOHC
ボア×ストローク:81.0mm×96.7mm
排気量:1993cc
圧縮比:13.5
最高出力:145ps(107kW)/6200rpm
最大トルク:175Nm/3500rpm
燃料供給:ポート噴射(PFI)

だった。

基本骨格であるボア×ストロークは81.0mm×96.7mm。ストローク/ボア比は1.19。思い切ったロングスロトークである。最大熱効率は世界トップレベルの41%。この数値は、燃料が持つエネルギーポテンシャルを最大限に使い切っていることを示す。最高出力104kW、最大トルク182Nmというパワースペックよりも注目すべき数値である。

熱効率の妨げになるのはポンプ損失、冷却損失、機械損失、廃棄損失が代表的であり、それぞれに対策がある。しかし、商品としてのICEにはバランスが求められるほか、小さなエンジンルームに搭載するという搭載性も必須だ。ホンダはこのそれぞれにメスを入れた。

新エンジンは高燃圧DI+多段噴射、高流動ポート、流動保持ピストンを採用することで理想の燃焼を実現した。

まずは燃焼の見直しである。熱効率を上げるためにレギュラーガソリン対応で圧縮比を13.9まで高めた。従来型のポート噴射では13.5が限界だったが、筒内直噴を使い13.9を実現した。燃料噴射圧は35MPa。ガソリンICEとしてはかなり高い圧力だが、燃料を微粒子化し、シリンダー内で圧縮される短い時間内での気化のための高圧化だ。しかもホンダは、ディーゼル並みの多段噴射技術を投入した。通常の運転領域では2~3回、低回転高負荷域では4回に分けて燃料を噴き、理想的な混合気を作る。

同時に、混合促進ために吸気を勢いのある縦渦(タンブル)にする。強いタンブル流を使えば噴射された燃料は渦の流れに乗り、シリンダー壁面への付着を抑制できる。ホンダはすでにシビックTYPE R用過給エンジンでタンブル活用の知見を得ている。その技術を応用しNA(自然吸気)にも活用した。ピストン冠面の浅皿処理や吸気ポートの形状など、すでに効果を実証済みの処理を取り入れているものと思われる。

ただし、タンブル流を生成すると時間当たりの吸気流量が低下してしまう。ここが技術のポイントだ。ターボ過給の場合はターボのコンプレッサーが吸気を圧縮してシリンダーへ必要な空気量を供給してくれるが、NAではピストンの下降で空気を吸うしかない。このあたりはストローク値の設定や吸気ポートの形状も含めて緻密な計算が行なわれたと想像する。

強いタンブル流の中でガソリンが気化し、混ざり合う。その混合気を高い圧縮比でギュッと凝縮し、一気に急速燃焼させる。高圧縮比化はノッキング(不整着火)との戦いだが、ホンダはすでにピストンへのクーリングチャンネル成形や排気バルブへのナトリウム封入などによってノッキングの原因となる「局所的に温度が高い場所」を作らない設計を実用化している。新ICEにもその技術は使われている。

筒内燃料噴射用のインジェクターは、燃焼室の真上に置くトップフィードではなく、手慣れたサイドフィード(横方向からの噴射)だという。「手の内にある」サイドフィードの直噴技術を使い、同時に現有の製造設備を大幅に変える必要がない。コストセーブ術である。

排気マニフォールドには、すでにシビックTYPE R用の2.0ℓVTECターボで世界初採用した2ピースウォータージャケットを使っている。排気マニフォールド付近はつねに高温になるが、エンジンブロックに外付けするマニフォールドでは効率的な冷却ができない。そこでホンダは、排気ポートとマニフォールドを一体成形し、緻密に冷却回路を張り巡らせる技術を開発した。いまやこの方法は、世界の高性能ICEのスタンダードである。

主運動系はPmax(筒内最高ガス圧)がPFIエンジンに対して上がったことに対応して剛性を上げている。剛性アップはNV性能にも好影響を与えている。手前下に見えるのは2次バランサーだ。
動弁系は、吸気側に電動VTC(可変バルブタイミング機構)、排気側に油圧VTCを組み合わせる。直噴ポンプは排気カムシャフトで駆動する。エンジンの休止〜再始動の振動を抑えるために電動VTCをワイドレンジで動かす。

動弁系では、排気側に油圧式カムフェーザーを、吸気側には新しい薄型電動カムフェーザーを採用している。ホンダは1980年代からバルブリフト量とバルブ開閉タイミングの可変化に取り組んできたが、新エンジンではカム位相を可変にする技術と多段噴射、急速燃焼といった技術で対応している。

ほぼ全域ストイキ運転で実燃費も向上する

新型ホンダ・シビックe:HEV

もう一点、この新ICEが実現した重要ポイントのひとつがストイキ(理論空燃比=ストイキオメトリー)で運転する領域の拡大だ。従来のPFIエンジンが苦手としていた低回転高負荷、高回転高負荷領域で大幅にストイキ運転領域を広げている。高トルク域での燃料消費率が30%低減、ストイキトルクも30%向上している。これはほぼ全域ストイキ運転と言っていい。この点は排ガス抑制にも効く。

これ以外にも、新ICEには多くの技術が注がれているようだが、同時に将来の発展性も確保されている。2020年代を通じて第一線にとどまり、世界が必要とするICEとしてCO₂排出抑制に貢献できるエンジンである。燃費が向上すれば、その分CO₂排出は減る。しかも現有設備で製造が可能で余分な資源負荷もかけない。これも立派なサステナビリティだ。

このエンジンを最初に積むのがシビックe:HEVだ。報道試乗会では、燃費以外でもNV改良技術によって現行アコードe:HEV用エンジン以上の静粛性と爽快なエンジンサウンドを実感できた。モーター、PCU、IPUも一新されたシビックe:HEV。搭載する新開発エンジンにも注目だ。なぜなら、これが2030年までを見据えたホンダの新中核エンジンなのだから。

MFi特別編集 ホンダのテクノロジー

自動車のみならずモーターサイクル、飛行機、発電機などのライフプロダクトまで手がけるホンダは年間3000万基のパワーユニットを生産する文字通り「世界一のパワートレーン・カンパニー」。 
今回の特別編集本では、ホンダの研究開発を支える本田技術研究所の全面協力のもと、ホンダの自動車用エンジン、ハイブリッド技術、電気自動車、燃料電池の技術と戦略はもちろん、HondaJetや航空宇宙への挑戦、スーパーカブをはじめとするモーターサイクルのパワートレーン技術について、豊富な写真、図版を使って掘り下げます。 
電動化時代の開発を支える風洞や鷹栖プルービンググランドの現地取材も敢行。ホンダがこれからどんなわくわくするパワートレーンを作ってくれるのか。どんな戦略なのか。ホンダファン、自動車ファン、アナリスト必読です。

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「清掃に2人がかりで1日半」エンジンまで泥まみれ…“レンタカーで泥遊び”に批判殺到 - 文春オンライン

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アウトドアシーンで映える、トヨタのピックアップトラック「ハイラックスGRスポーツ」。

 
 

レンタカーとして貸し出されていたのですが、返却された車のボンネットをあけると、エンジン部分から何から、泥まみれになっています。

車は貸し出し停止に…“泥だらけのまま”返却に批判殺到

 

レンタカー店のツイート:
諸事情により、ハイラックスの貸し出しを一時停止しております

レンタカーがボンネットの中まで泥まみれになったワケとは?一体どんな乗り方をしたのでしょうか。
その答えは、SNSに上げられた、河川敷の様な場所で撮影された写真にありました。

 

そこに映っていたのは、ぬかるみに入ったレンタカーの姿です。さらに別の写真には、タイヤの高さまで泥水に浸っている写真もありました。

 

4月18日、これらの画像がSNSに投稿されると、たちまち拡散され、批判の声が殺到。

 

ツイッターの声:
これはひどすぎる!
ツイッターの声:
自分の車でもこんな状態にするのはちゅうちょするよ

レンタカー会社を心配し、直接連絡した人もいたといいます。

レンタカー会社によると、借主は、返す前に洗車したとみられ、返却時の車体は一見きれいな状態だったといいます。しかしボンネットの中には泥が入り込み、内装も湿っているなど無残な状態でした。

また貸し出せるかは「不明」も…レンタカー店「誹謗中傷は控えて」

 

めざまし8がレンタカー店に話をきくと…

レンタカー店:
清掃だけで、2人がかりで丸1日半かかりました。
お客さんから修理代を全額補償する、との申し出をいただきましたが、この車をまた貸し出せるかはわかりません。ただ、謝罪もしていただいておりますし、SNSなどでの誹謗中傷は控えていただきたいです

公道外での走行に伴う損害は保険適用外になるといい、修理代は数十万円にのぼる見込みだということです。

(めざまし8「#NewsTag」4月21日放送)

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