ステランティス(グループPSAとフィアット・クライスラー・オートモービルズが折半出資で合併して誕生した多国籍自動車メーカー)が直列6気筒ターボエンジンを開発する。ガソリンの直6エンジンは、BMW、ダイムラー、ジャガーランドローバー、マツダに続いての新開発直6エンジンとなる。
ステランティスが開発する直6エンジンは、「ハリケーン・ツインターボ(Hurricane Twin Turbo)」である。排気量は他メーカーの直6エンジンと同じく3.0ℓだ。
3.0ℓハリケーン直6ツインターボエンジンは、大排気量自然吸気V8エンジンの代替エンジンとなる。ステランティスでいえば、5.7ℓ~6.4ℓのHEMIエンジンからのダウンサイジングとなる。
ステランティスは、戦略計画「Dare Forward 2030」で、2030年までにCO₂排出量を50%削減し、2038年までにカーボンネットゼロを実現するという目標を掲げている。ハリケーン・ツインターボは将来の電動化にも対応するエンジンとして登場する。
ハリケーン・ツインターボは大排気量V8エンジンに匹敵する性能を実現しながら最大で15%高い効率を実現しているという。
エンジンブロックはもちろんアルミ合金製。鍛造スチール製のクランクシャフトとコンロッドからなる回転系アッセンブリーをクロスボルトで固定したスチール製メインベアリングキャップに収めている。
ボア×ストロークは、84.0mm×90.0mm。シリンダーボアにはプラズマトランファーワイヤーアーク(PTWA)コーティングが施され、超薄膜で低摩擦の摩擦面を実現する。
高出力版のHO(High Output)と標準版のSO(Standard Output)の2仕様が設定される。圧縮比はHOが9.5、SOが10.4だ。燃料供給は筒内燃料直接噴射で最大噴射圧は35MPa(350bar)である。
過給は2基の低イナーシャターボが3気筒毎に付く。水冷インタークーラーはSOがシングルインレット、HOがデュアルインレットだ。過給圧はSOが1.52bar、HOが1.79barと発表されている。
パワースペックは
HO:500ps/644Nm
SO:400ps/610Nm
である。
燃料はSOが91オクタン、HOがプレミアムを推奨している。
新開発ハリケーン・ツインターボは、ステランティスのSTLA LargeプラットフォームとSTLA Frameを使う車両向けの北米における将来の主要な内燃機関となる。最初のモデルは2022年中に登場するようだ。エンジンの生産はメキシコのサルティーヨ工場が担当する。
Hurricane Twin Turbo
エンジン形式:直列6気筒DOHCツインターボ
排気量:2993cc
ボア×ストローク:84.0mm×90.0mm
圧縮比:SO 10.4/HO 9.5
最高出力:SO 400ps/HO 500ps
最大トルク:SO 610Nm/HO 644Nm
過給:ツインターボ
燃料供給:筒内燃料直接噴射(最大噴射圧 35MPa)
からの記事と詳細 ( 時代は再び直6へ! マツダに続いてステランティスも直列6気筒「ハリケーン・ツインターボ」登場[内燃機関超基礎講座] - MotorFan[モーターファン] )
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