Friday, April 22, 2022

ホンダCB1100EXファイナルエディション(6MT)【試乗記】 せめてエンジンだけでも - webCG

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このエンジンでもう少し遊べたら

「だから、アリよね」と天使。ふ~むと僕。今は悪魔の口をふさぎながら話しているが、困ったことに生身の自分は、CB1100EXに物足りなさを感じてしまっているのだ。どこに? ルックス?

「国産のオートバイだと、クラシックなネイキッドモデルでもとがったテールカウルが付くのが多いんですよ。そのなかでCB1100は、昔ながらの丸いリアフェンダーでしょう。そういうの、クラスに関係なくほぼ皆無なんです」

これはホッタ青年の解説。そうだ、忘れていた。もとよりCB1100はノスタルジーに刺さるデザインで、派生モデルのEXはさらに郷愁感を高める仕様を施していた。しかし、だからといってこれほど色気がなくていいのか? 同じような形のワンピースでも、風が吹くと「おっ」となりそうな、もう少し薄手の生地でもよかったのではないか?

「CB1100EXのような仕立てが、オジサンの心をつかんで離さないんですよ」。そうつぶやいたのが悪魔かと思ったら、ホッタ青年だった。出会った頃は文字どおり青年だった彼も今やオジサンの領域にあるから、要するにホッタ青年も心をつかまれたということだろうか。つかまれなかった僕はといえば、年齢的にはまごうことなきオジサンゾーンに入っているけれど、そこは好みの違いということなのだろうか。想像するに、たぶんホンダのマーケティングには、心に天使と悪魔の共存を許す人間の入る余地はないのかもしれない。

それでもと最後に言いたいのは、趣味にも持続可能性は必要で、僕もオジサンゾーンなのでそろそろ最後の一台を選ぶ局面に差しかかってきて、この空冷エンジンでもう少し遊べたらよかったのに、ということだ。

ホンダは、CB1100ファイナルエディションの発表に際し、生産終了の理由をアナウンスしていない。次なる排ガス規制強化に鑑みての判断、というのが周囲の見方だが、それもまたエンジン終焉(しゅうえん)の予感を強めるトピックになるだろう。

「でも、もう買えないんだよ」。そうボヤいたのは悪魔だったか天使だったか。いずれにしても初試乗で「せめてこれだけ欲しい」と思った最後の空冷4気筒は、ウイングマークよろしく羽を生やして飛び去ってしまうようだ。

(文=田村十七男/写真=荒川正幸/編集=堀田剛資)

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