日立造船は26日、船舶用エンジン事業を分社化して新会社を設立すると発表した。新会社は第三者割当増資により、国内造船大手の今治造船から35%の出資を受ける。日立造船の船舶用エンジン事業は2023年3月期に2億円の赤字となる見通しで事業環境は厳しい。今治造船との関係を強め、エンジンの安定的な供給につなげる。
同日開いた取締役会で決議した。新会社の売り上げ規模は200億円程度になる見込み。資本金や設立日は未定だ。
造船業界は国策として造船業を支援する中国勢や韓国勢のシェアが大きく、事業環境は厳しい。日立造船の造船業向けの舶用エンジンも長く赤字が続いてきた。21年3月期に黒字転換したものの、23年3月期は2億円の赤字となる見通しだ。日立造船は本体から切り離し、今治造船の出資を受けることで財務状態を改善する。
また、新会社の設立は脱炭素化に向けた研究で連携を強化する狙いもある。造船業界は国土交通省が日本郵船などと組んでアンモニアや水素を燃料とする船舶の開発に乗り出すなど、二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにする「ゼロエミッション船」の実用化が進められている。エンジンも燃料転換に向けた開発が求められており、日立造船は新たなエンジンの開発に向けて今治造船と技術的な連携をする。
日立造船は社名の変更を検討中だ。現在は日立製作所との資本関係はなく、造船事業自体からは既に撤退している。今回、船舶用エンジン事業を新会社に移すことで、船舶関連事業とのつながりはより薄くなる。三野禎男社長は「(社名変更は)25年度ごろまでには検討したい」と話す。今回の分社化で、「造船」の2文字にこだわる理由はさらになくなることになる。
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