東洋エンジニアリングは2021年、新しい人事制度を導入した。03年以来の刷新だ。コンセプトは能力(グレード)と職責のハイブリッド型だ。管理職のベース年収について、旧制度がグレードのみだったのに対し、新制度は能力と職責で決めるようにした。
同社は世界中のさまざまなプラントを建設する。案件によっては、若手がプロジェクトマネージャーなど責任ある仕事を担うこともある。新制度はこうしたケースの評価が狙いだ。高橋憲弘経営管理本部人事部長は「仕事と見合った処遇に変える」と説く。
責任が重く、難しい仕事を担っているかどうかを職責として評価し、能力とともに、ベース年収の要素にする。能力があるだけでは十分でなく、能力に見合った適切な職責を与えることが社員の力を最大限引き出すことにつながる。引き受けた職責に対しては給与で報いるという考え方だ。若手でも責任が重い仕事を担当していれば、年収が上がる。
実際に運用すると、新規事業の担当者をどう評価するかが課題になってきた。同社は収益源多様化のため、新規事業創出を進めている。プラント建設なら受注金額や種類などで職責を算出しやすいが、新規事業は経験がない分野のため、難しい。新規事業を伸ばし、定着することが解決策になりそうだ。
管理職だけでなく、4月には一般職にも同様の制度を導入した。能力と職務難易度でベース月給を決める。名称は職責ではないが、仕組みは一緒だ。仕事の内容がずっと同じでは、月給は上がらない。一般職の新たなキャリアや役割を職務難易度で示す狙いがある。
一般職は今後、デジタル変革(DX)の実務を担うことが期待される。高橋人事部長は「定型のものは無くなると思うので、仕事の仕方や業務を変えてほしい」と求める。管理職よりも浸透が難しいとみており、一般職に根付くかが新制度の成否を握る。
日刊工業新聞2022年7月26日
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