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2022年6月、トヨタ自動車が水素エンジンを市販化する意向を明かした。電気自動車(EV)に傾注してきた欧州勢からは、“本音”が漏れ聞こえてくる。内燃機関を搭載する新車の販売禁止を検討してきたが、存続の可能性が出てきた。カーボンニュートラル実現に向けて、水素エンジン車が走り出す。
「富士山は5合目まではクルマで行ける。この事実を加味した開発ロードマップになっている」。冗談交じりだが、トヨタ自動車の水素エンジン開発者の目は笑っていなかった。
同社は2022年6月、水素エンジン車を市販化する意欲を示した(図1)。投入時期を未定としながらも、「富士登山になぞらえると、4合目くらいのところに来ている」(同社執行役員の佐藤恒治氏)と明かした。
富士山頂、つまり水素エンジン車の市販化に向けて“登山”を進めるトヨタ。開発ロードマップの4合目は「排気開発」で、排ガスをクリーンにするための燃焼条件の最適化や後処理装置の開発などを進めている段階という。続く5合目は「機能信頼性/対策」で、挙動の安定化や耐久性の改善などに取り組む。
そして、冒頭の発言のように道のりの険しさが一段と増すのが6合目の「タンクの小型化」や7合目の「実証評価」(図2)。トヨタはこのあたりまで、2023年ごろに歩を進める考えだ。
日産自動車やホンダは水素エンジンと距離を置くため、トヨタは浮いて見える。だが、世界に目を向けると景色は異なる。電気自動車(EV)に傾倒していた欧州で、水素エンジン車への関心が高まってきた。部品メーカーも、内燃機関技術の新たな出口として、水素エンジン開発を加速させる。
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