Thursday, September 1, 2022

国産ロケット「H3」今年度内にも初打ち上げ…エンジンの問題を解消 - 読売新聞オンライン

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 宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )は1日、国産次期主力ロケット「H3」の初打ち上げを今年度内に目指す方針を発表した。H3は開発中のエンジンに不具合が相次いで見つかり、当初2020年度としていた打ち上げを2度延期していた。エンジンを改良し、問題が解消したという。

 H3は全長63メートル、直径5・2メートルで、現在の主力ロケット「H2A」の後継機。20年に燃焼試験後のエンジンのタービンにひびが見つかるなどして、1号機の打ち上げを1年延期した。その後も改良を進めたが、別の箇所にもひびが確認されたことから今年1月、再延期を表明していた。

 JAXAによると、燃料の液体水素を送るポンプでの異常な振動がひびの原因となっていた。液体酸素を送るポンプでも異常な振動があり、いずれも揺れを抑える設計に変更したという。8月中旬までの試験の結果、問題が解消したと判断した。

 9月中に種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)で、実際に1号機に使うエンジン2基の燃焼試験を行う。問題がなければ11月頃に、射場でロケットを組み立ててエンジンを稼働する試験を実施した後、打ち上げに臨む計画だ。

 1号機には、災害時の被害状況などの把握を行う地球観測衛星「だいち3号」が搭載される。2号機以降は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける無人補給船「こうのとり」の後継機「HTV―X」など、30年度までに20機以上の打ち上げが予定されている。

 開発責任者の岡田 匡史まさし ・JAXAプロジェクトマネージャは1日の記者会見で「まだまだ険しい道のりは続く。気を引き締めて頑張っていきたい」と話した。

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