川崎重工業の子会社、カワサキモータース(明石市)は3日、開発を進める二輪車用水素エンジンを搭載した研究用バギーを栃木県内で初公開した。耐久レースが開かれたのに合わせ、川重の橋本康彦社長と、開発で連携するトヨタ自動車の豊田章男社長が乗り、約250メートルをデモ走行した。
カワサキモータースによると、二輪向けのエンジンだが、試験用機材などを乗せるため四輪にした。「技術的には二輪車に搭載するのは可能」という。
エンジンは同社製大型バイクのガソリンエンジンを改良。空気の通り道にガソリンを入れる形態から、燃焼室に直接水素を吹き込む仕様に変更した。燃焼速度の速い水素に対応できるよう工夫し、7月に車両を完成させた。
同社は昨年12月、エンジンの設計に着手。水素で走る燃料電池自動車を生産するトヨタから技術支援などを受け、他の自動車関連各社とも連携して開発を進めてきた。
水素エンジン車は、水素を燃やして走り、走行時に二酸化炭素をほとんど排出しない。今回の車両で共同研究を重ね、実用化に向けた動きを本格化させる。
(大島光貴)
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