Friday, September 2, 2022

NASAのロケット、エンジンの不具合で打ち上げ延期。再チャレンジは日本時間で4日の深夜に - GIZMODO JAPAN

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次回打ち上げ予定日は、日本時間9月4日の午前3時!

NASAのメガロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)の史上初となる打ち上げは計画どおりにはいかず、“エンジンの不具合”のため延期を言い渡されました。不穏な響きですが、現地時間の月曜午後に開かれた会見でNASAの高官らは、金曜日の再挑戦もあり得ると語っていました(その後、9月3日に打ち上げるとNASAが発表)。

カウントダウンが発射まで40分のところで止まったままになっていた東部時間の8月29日午前8時34分、アルテミス打ち上げディレクターCharlie Blackwell-Thompson氏が、SLS打ち上げの1回目の試みの正式な終了を宣言しました。その1時間以上前から予定外の中断に見舞われ、地上チームがロケットの4基あるコアステージRS-25エンジンのうち1基での問題を解決しようと苦心していました。簡潔に言うと、エンジニアたちはエンジンNo.3を発射に向けて十分に冷却できず、中止となったのです。

地上チームは打ち上げに向けて準備をしましたが、「解決に時間を要する問題があった」と、NASAのビル・ネルソン長官は現地時間の午後に行なわれた会見で語っていました。「これは全く新しいロケットで、準備が整うまでは飛ばない」とのこと。ネルソン長官は、1986年に彼が乗船したスペースシャトル「コロンビア」は4度も延期された後での打ち上げだったことを報道陣に思い出させました。そしてSLSは非常に複雑で、この複雑さが「カウントダウンに焦点を合わせようとする際に厄介になる」ともコメントしています。

近いうちに再び打ち上げを予定していることから、アルテミス・ミッションのマネジャーMike Sarafin氏はSLSロケットをカウントダウンの設定を維持したまま、米フロリダ州のケネディ宇宙センターにある39B発射台に据え続けておくと述べていました。また、初期の兆候からして、エンジンの交換を要する可能性は低いとのこと。

このエンジンの不具合は、打ち上げに先駆けて液体水素でエンジンを冷却させる“hydrogen kickstart”に関連したものでした。Sarafin氏は、エンジンが「流れてくる冷たい燃料にショックを受けない」ように「極低温にしておく必要がある」と説明。4基あるRS-25エンジンのうち3基は十分に冷却されましたが、エンジンNo.3は適温の範囲にまで下がらなかったのです。同エンジンにおける液体水素の流量は想定より少なく、流量を増加させる処置で問題を改善することはできませんでした。エンジニアたちはこの不具合を解決しよう計2時間半を費やしましたが、無駄でした。

打ち上げ予定は日本時間で9月4日の深夜~早朝にかけて

このシステムが最後のウェットドレスリハーサルではテストされていなかったという点は、重要です。そのためチームにとっては、この問題を観察してからトラブルシューティングを行なう初の機会となりました。次のウィンドウまでにこの不具合が解決されるかどうかはまだ分かりません。

NASAの探査システム開発副部長Jim Free氏は、「データやそれらが意味するものが今日出揃うわけではない」と発言していました。NASAいわく、アルテミス1の打ち上げのリスケの可能性を含め、もっと多くの情報を開示できるようになった段階で、改めて会見を開くとのこと。また、SLSと宇宙船「オリオン」は安全で安定した状態のままであるとも述べていました。

RS-25エンジンの冷却異常に加えて、地上チームは通気バルブの不具合などいくつかの問題に見舞われましたが、それらを除けば、今回の燃料の充填作業は比較的スムーズに進みました。とは言え、今回の打ち上げは雨と落雷のために、それらに関係なく中止になっただろうとSarafin氏は言っていました。

次回の打ち上げ予定日はというと、現在の期間内では9月2日(金)の午後12時48分~と9月5日(月)の午後5時12分~(いずれも現地時間)の2つの予備日があり、前述の会見の中でSarafin氏は9月2日のウィンドウに言及して、「金曜日という可能性も確かにある」とコメントしていました。

しかし火曜夕方(日本時間の今朝)、NASAは次回の打ち上げ予定日時を東部夏時間の9月3日(土)午後2時17分からの2時間にすると発表。日本時間だと9月4日(日)の午前3時17分~になりますね。

アルテミス1ミッションでは、SLSが無人の宇宙船「オリオン」を月を周回する42日間のミッションへと送り出します。SLSは810万ポンドの推力を誇る、NASAが建設したなかでも最大級のロケットで、アポロ時代以来となる有人月面探査を含むアルテミス計画において重要な役割を果たします。

Source: NASA, Twitter,

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