ホンダ(レッドブル・パワートレインズ)、フェラーリ、メルセデス、ルノー(アルピーヌ)の中で最もパワフル、最も強力なF1パワーユニット(PU)はどのメーカー製のものなのか?
E10燃料の導入を経て現行PUは今年、2段階に分けてホモロゲーションが行われ、MGU-K、ES(バッテリー)、CE(コントロール・エレクトロニクス)の凍結期限であった9月1日を以て、すべての開発が完全凍結された。
100%持続可能な燃料を使用する次世代ハイブリッドPUが導入される2026年シーズンまで、各メーカーは既存の仕様を使い続けなければならない。つまり2025年末まで、現在の序列が変化する事はない。
ICEはフェラーリ、ERSはホンダ
独AMuSによるとレッドブル/ホンダ陣営は、自分達よりもフェラーリの方が3~4kW(4~5.4馬力)勝ると計算しており、また、メルセデス陣営はフェラーリ製PUがホンダ製PUを5kW(6.7馬力)上回ると見積もっているという。
僅かな差だが、それでもライバルがこぞって馬力面で一枚上手と考えていることはマラネロの技術者達にとって一つの誉れと言えるだろう。
ただし、フェラーリはICE(内燃エンジン)で先行しているものの、回生エネルギーではホンダがベンチマークだという。モンツァを舞台とするイタリアGPで最もデプロイメントが長く切れなかったのはホンダと試算された。
バッテリーからMGU-Kへの転送には最大2MJ/1周という上限があるものの、MGU-Hの性能が十分に高い場合、回生したエネルギーをバッテリーを介さず直接MGU-Kに送れば、この制限に縛られる事はない。
フェラーリは9月1日の凍結を前に軽量化された新しいハイブリッドシステムを導入しているが、性能面での向上幅はわずかだと見られている。
パワフルである反面、脆い跳馬
パワーアドバンテージがある一方、フェラーリ製PUは最も信頼性が低い。スペインとアゼルバイジャンでシャルル・ルクレールはトップを走りながらも2度に渡ってリタイヤを余儀なくされ、カルロス・サインツはオーストリアでエンジンブローに見舞われた。
とは言え、信頼性を二の次とするフェラーリの開発方針は戦略的観点から決定されたものだった。
開発が凍結されたとは言え、PUのホモロゲーション規定には「信頼性、安全性、コスト削減、または最小限の付随的な変更のみを目的とした変更」を認める例外がある。
実際フェラーリは今シーズン、既に2回に渡って信頼性の改善を目的とした改良をFIAに申請、実施していると言う。
なお2014年に始まったV6ハイブリッド時代の絶対王者であるメルセデスはパフォーマンス面で3番手と位置付けられた。
何とも時代の流れを感じさせるが、英国ブリックスワースのエンジンは今年、最も高い信頼性を誇っており、昨年とは異なりマイレージの蓄積による著しいパフォーマンス低下も解消されている。
フェラーリやホンダが性能面でライバルに勝る部分があるとしても、成熟期を迎えた4メーカーのPUパフォーマンスは限りなく接近している。競争力平準化のためにFIAが介入してくる事はなさそうだ。
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