EVという言葉が日々の会話で違和感なく使われ、クルマのニュースでエンジンという単語を見かけなくなった。日本製EVが少ない中、欧州のメーカーはEVのラインアップを充実させて、日本市場に送り込む。フォルクスワーゲンが世界市場をターゲットに開発したのが「ID.4」だ。VW初の電動SUVで、ゴルフに比べると一回り大きく、迫力のあるデザイン。日本初登場となるVWのニューモデルID.4に試乗した。
VWのEVは、車名にIDの2文字が使われる。インテリジェント・デザインの略といい、その下につく数字はボディーの大きさをあらわす。ID.4は全幅が1850ミリとやや大きめのSUV。
外観はこれまでのエンジン車とは違い、押しの強いデザインで、フロントグリルはかなりの迫力だ。
インテリアはIDの名の通り洗練されている。メーターは、5・3インチの液晶パネルで、運転に必要な最小限の情報が映し出される。
大きなディスプレーで、情報を余すことなく伝えようというクルマが多い中、これはこれで運転に集中できていい。
今回試乗したのはID.4のPRO。プロといっても職人用の特別なクルマではなく、電池の容量を拡大し、連続618キロを走行できるヘビーユーザー向けの仕様だ。
運転席に座ってブレーキを踏むと、スイッチがオンになる。これまでのスタートボタンは不要で、シフトをドライブに入れ、アクセルを踏めば走り出す。
シフトチェンジは独特で、液晶パネルの右側にある、回転式のスイッチで操作する。つまみを上に回せばドライブ、下に回すとリバースになる。パーキングは、つまみの横にあるボタンを押せばいい。
4ドアだが、4枚の窓を開閉するスイッチは2つだけ。もちろん昔ながらのクルクル回す、レバーがついているわけではなく、スイッチでフロントとリアの操作を切り替える仕組み。
スイッチが極限まで廃されたデザインはEVらしいが慣れるまでには時間がかかりそう。もっとも生まれたときからスマホを使いこなす若い世代には問題ないのかもしれないが。滑らかな乗り心地。
先進的なインテリアに比べて走りはEVというよりエンジン車のようなフィーリング。204馬力とパワーは十分だが、アクセルを踏み込んでも、加速はマイルドだ。街中でも高速道路でも、滑らかな乗り心地で、静かさを除けば、EVを意識させない。
後輪駆動を採用するのも特徴の一つ。設計の自由度の高いEVは、リアタイヤ近くにモーターを置いても車内スペースが犠牲にならない。
EVらしさを強く感じることもあれば、エンジン車に乗っているような感じも受ける少し不思議なクルマ。EVに興味がある人なら一度試乗してみてほしい。
■フォルクスワーゲン(VW) ID.4 PRO
【 定員 】 5人
【 全長 】 4585ミリ
【 全幅 】 1850ミリ
【 全高 】 1640ミリ
【 車両重量 】 2140キロ
【 モーター 】 交流同期電動機
【 最高出力 】 204馬力
【 駆動方式 】 後輪駆動
【 ミッション 】 1段固定式
【 一充電走行距離 】 618キロ
【 車両本体価格 】 648万8000円
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