Thursday, January 4, 2024

HEV・PHEVの2024年展望、専用に振り切ったエンジン開発が鍵 - ITpro

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 電気自動車(EV)一辺倒だった自動車業界が少しずつ変化し、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の需要が高まっている。自動車メーカー各社は、HEV・PHEV専用エンジンを続々と開発・展開している。内燃機関車(ガソリンエンジン車)への搭載を想定せず、HEV・PHEV専用に振り切って開発することで、燃費効率や走行性能の向上を目指す。

(出所:日経Automotive)

(出所:日経Automotive)

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 EV一辺倒だった風向きが変わりつつある。実際に北米ではEVの販売台数が鈍化傾向にある中、HEV・PHEVの販売台数が伸びている。富士経済が2023年7月に発表した予測によると、2035年に世界のHEV販売台数は2022年比で約2.8倍の1176万台に達する見通しだ。PHEVは同約2.4倍の650万台に拡大すると見込まれる。今後もHEV・PHEVの需要は一定数残るとみられる。

 HEV・PHEVが進化していく上で重要になるのがエンジンである。以前はガソリンエンジン車と共通のエンジンをHEV・PHEVに使うことが多かった。今後は、HEV・PHEVの販売台数の拡大に伴い、電動車専用に開発したエンジンが増えていく見込みだ。

 専用エンジンの開発では、ガソリンエンジン車の“しがらみ”を断ち切り、ハイブリッドシステムの特徴にいかに合わせられるかが重要になる。

日産はスターターを無くして振動を抑制

 ガソリンエンジン車のしがらみを断った1つの例が、日産自動車「セレナ」に搭載しているHEV専用エンジンである。同社のハイブリッドシステム「e-POWER」に組み合わせたこのエンジンの特徴は、スターターの設置を想定していないことである。エンジン車と共通だった従来のエンジンでは、e-POWER向けに流用する際に、通常のエンジンには備わるスターターを省いていた。このため、スターターがあった位置を避けるように、エンジンと駆動モーターを締結するボルトを配置せざるを得ず、剛性の低下によって振動や音が発生しやすくなっていた。

日産「セレナ」とe-POWERシステム

日産「セレナ」とe-POWERシステム

(写真:日経Automotive)

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 新エンジンでは、HEV専用とすることで最初からスターターの設置を想定しない設計とし、締結ボルトの配置を適正化して剛性を高められた。スターターを省いた空間で起こるたわみを無くせた。これにより、「振動に強くなった」(日産のパワートレーン開発者)という。

 ホンダは別の理由でガソリンエンジン車のしがらみから脱却した。

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