働くってなんですか
コロナ禍の収束が見通せないなか、上場企業による希望退職の募集が異例のペースで増えている。東京商工リサーチは1月21日に、昨年1年間で募った企業数は前年の2.6倍超の93社になったと発表した。今年募るところも1月末までに28社が判明している。この勢いが続けば、12年ぶりに100社を上回る可能性がある。
昨年の募集企業数は、2008年秋のリーマン・ショック後では09年の191社に次いで多い。募集者(非公表の企業は応募者)の合計は判明した80社分だけで1万8635人となり、これも09年の2万2950人以来の規模だ。
業種別では、昨年はアパレルの18社が最多で、自動車関連と電気機器がそれぞれ11社、外食と小売りがそれぞれ7社、旅行などサービスが6社だった。コロナ禍が直撃したところがめだつ。
今年になっても電気機器やアパレル、サービスなど幅広い業種で募集している。調査を担当した東京商工リサーチの二木章吉氏は「消費者向けの事業を手がける企業を中心に今後も増える可能性がある」とみる。
集計したのは上場企業の判明分だけで、非上場企業も含めると、もっと多くなる。上場企業でも募集を公表していないところがある。東京証券取引所は上場企業に対し「人員削減などの合理化」の開示を求めているが、業績への影響が大きくない場合は非開示を認めている。
ゲーム事業が好調なソニーでも、複数のグループ企業で希望退職を募った。ニュースリリースなどで開示していなかったが、応募を促されたという50代の男性社員が1月に会見を開いた。ソニーの広報担当者は「常に外部環境の急速な変化に対応するため、必要な体質強化をしている。人事施策の詳細は控えたい」としている。
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