Wednesday, January 13, 2021

PHEVとエンジン車で迷う新型「エクリプス クロス」 - 日経ビジネスオンライン

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 皆様、あけましておめでとうございます。既に1月1日付のこのコラムでご挨拶は済ませているが、あれは昨年中に書いたものなので、やはり改めて言っておきたい。で、2021年はのっけから関東1都3県で再度の緊急事態宣言が発出された。昨年4月の緊急事態宣言と異なり、制限の範囲はかなり限定されているが、新型コロナ感染者数の増加ペースは20年の4月をはるかに上回る。一刻も早く感染が収束することを願うばかりだ。

PHEV仕様を追加するとともに外観デザインにも大きく手を加えた新型「エクリプス クロス」(写真:筆者撮影)

 さて、今回取り上げるのは昨年暮れに試乗した三菱自動車の新型「エクリプス クロス」である。エクリプス クロスについては既にこのコラムの「『エクリプス クロス』が気になっていた理由」で取り上げているが、今回の話題は、大幅な部分改良と同時にPHEV(プラグインハイブリッド車)仕様が追加されたことだ。PHEVのメカニズムは既に発売されている「アウトランダーPHEV」のものがほぼそのまま移植されているので新味はないのだが、正直に言ってアウトランダーPHEVは、乗ればいいクルマだし、2018年8月に大幅な改良は受けているけれど、外装や内装のデザインの古さは否めない。

 そこへいくとエクリプス クロスは2018年の発売だけあって、内外装のデザインはまだ新鮮味を保っているし、今回の大幅な部分改良でさらにリファインされた。アウトランダーよりコンパクトなボディーは取り回しもラクだ。さらに前回のコラムでは荷室スペースが小さいことを指摘したが、今回の部分改良では全長を140mm延長し、このうちリアオーバーハングの延長に105mmを充てていて(フロントは35mm)、この点も改善している。筆者はアウトランダーPHEVを公道できちんと試乗しておらず、この点でも三菱自動車のPHEVの実力を、この際確かめてみたいと思ったのだ。

排気量2.4Lのエンジンと組み合わせる

 先に説明したように、新型エクリプス クロスPHEVのパワートレーンは、ほぼアウトランダーPHEVからの流用である。アウトランダーPHEVは2018年8月に大幅な改良を受けており、その内容はこのコラムの「新型アウトランダー、エンジン拡大でEVらしく?」で紹介済みなのだが、ざっと復習しておこう。

 最大の改良ポイントは、エンジンの排気量をそれまでの2.0Lから2.4Lに拡大したことだ。その狙いは静粛性の向上である。バッテリーを使い切ってエンジンをかけなければならなくなっても、従来より低いエンジン回転数で同じ出力を得られるようになり、静粛性が向上した。同社の調査ではアウトランダーPHEVのユーザーの多くが「エンジンがかかるとがっかりする」と回答していたのに対応した。

 同時にバッテリー容量を従来の12kWhから13.8kWhへと15%アップし、リアモーターの最大出力もそれまでの60kWから70kWに向上させた。この結果、バッテリーだけで走行可能な距離が従来の60kmから65kmに伸びた(JC08モード、WLTCモードでは57.6km)ほか、モーターだけで出せる最高時速も従来の125km/hから135km/hになった。これにより、EV走行が可能な距離や速度領域を従来よりも拡大している。

フロント・リアとも大幅変更

 話を戻すと、新型エクリプス クロスはPHEV仕様の追加と同時に、内外装のデザインにも大幅に手が入っている。フロント周りは従来、三菱自動車が「ダイナミックシールド」と呼ぶデザインコンセプトを採用していた。これは細長く切れ上がったヘッドランプと、四角い大型のグリルを組み合わせたデザインだが、エクリプス クロスではデザインのモチーフはそのままに、ヘッドランプをデイタイムランニングライトに置き換えてより細長い形状にし、ヘッドランプそのものはグリルの両サイドに配置する「デリカD:5」や「eKクロス」と共通のデザインに変更した。この結果、フロント周りの印象はシャープさが増した。

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