創業わずか七年の航空部品メーカー「エアロエッジ」(栃木県足利市、従業員約百二十人)が、フランス航空機エンジン製造大手、サフラン・エアクラフト・エンジンズの「サプライヤー・パフォーマンス・アワード2022」を受賞した。世界に約二千社ある同社取引先の中から品質などの総合評価で優秀と認められた五社のみに贈られ、日本企業では唯一。授与式に参加した福田富一知事は「ものづくり県、栃木の誇り」と称賛した。(梅村武史)
エアロエッジが手掛けるのは航空機エンジン「LEAP(リープ)」用のチタンアルミ製タービンブレード。一枚の長さは二十センチほどでエンジン内に百枚超を放射状に重ね、回転する。加工が難しい素材をマイクロメートル単位の精度で仕上げる高い技術が求められ、サフラン社のクロード・キリアン副社長は「品質、コスト、供給力で基準をクリアした」と評価した。
ブドウ畑が広がる足利市田島町のココ・ファーム・ワイナリーで三十日、開かれた授与式にはサフラン社幹部や経済産業省関係者、福田知事、早川尚秀市長ら約五十人が駆けつけた。
「創業以来、最高の喜びと幸せ。この賞を獲得するのが夢で社員一同、必死に頑張ってきた」とあいさつした森西淳社長。成功の理由を問われ、「地道に改善を繰り返すトヨタ生産方式の実践と業務プロセスのデジタル化。二つを融合させたこと」と語った。
エアロエッジ社は、足利市で一九四〇年創業の歯車機械加工会社「菊地歯車」から二〇一五年九月、航空宇宙部門が独立して生まれた。サフラン社と長期供給契約を結び、次世代航空エンジンの部品供給にも名乗りを上げている。
LEAPエンジンは米ボーイング社「737MAX」の全機、エアバス社「A320neo」の六割で採用されている。ともに双発エンジンで定員二百人前後。国内外航空会社の新規発注シェアの八割を二機種が占め、世界で一番売れている航空機エンジンだ。国内ではピーチ・アビエーションが同エンジンを使ったA320neoを採用している。
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