Wednesday, August 9, 2023

スーパーカー譲りのエンジンは530馬力を発生! マセラティ「グレカーレ」の最強グレードは最高速285km/hをマーク ... - au Webポータル

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日本市場におけるマセラティの売れ筋モデルとなっている「グレカーレ」。3グレードを展開するミッドサイズSUVの中でも注目は、3リッターV6ツインターボを搭載する「トロフェオ」です。最高出力530ps、最高速285km/hをマークする驚速SUVのエンジンは、マセラティの最新スーパーカー「MC20」譲りの強心臓でした。

絶品といっていいほどの出来栄えを誇る“ネットゥーノ”

 日本の新車販売が3年連続で増加しているマセラティ。なかでも昨今の盛況を後押ししているのが、ミッドサイズSUVの「グレカーレ」でしょう。

 すでに先日、グレカーレの「GT」と「モデナ」という2グレードの試乗レポートをお届けしましたが、その中で僕は「マセラティらしさ」について、エレガントであること、スポーティかつハイパフォーマンスであること、そしてセンシュアル(官能的)であること、と述べています。

 それは、自動車メディアに長いこと携わってきて、30年以上も前からずっと感じてきたこと。そして、その色合いが最も濃密なグレカーレが、やはりラインナップのトップエンドに位置するグレード「トロフェオ」でした。

マセラティ「グレカーレ」の旗艦グレード「トロフェオ」が搭載するエンジン“ネットゥーノ”は、サウンド、回転フィール、パワー感のすべてが極上

マセラティ「グレカーレ」の旗艦グレード「トロフェオ」が搭載するエンジン“ネットゥーノ”は、サウンド、回転フィール、パワー感のすべてが極上

 2リッター4気筒ターボ+マイルドハイブリッドを搭載する「GT」と「モデナ」は、思いのほかマセラティらしさを感じさせてくれる仕上がりで、これで十分だとすら思えたものでした。しかし、その後にステアリングを握った「トロフェオ」は、同じベクトルにありながらも別格といえるほどの出来栄えだったのです。

 その最も大きな理由はパワートレイン。「トロフェオ」はグレカーレのラインナップ中で唯一、3リッターV6ツインターボを搭載しています。しかもそれは、マセラティがほぼ40年ぶりにリリースしたミッドシップのスーパーカー「MC20」に搭載されるのと同じ“ネットゥーノ”と呼ばれる最新ユニットです。

 最高出力530ps/6500rpm、最大トルク620Nm/3000〜5500rpmというスペックは、MC20に比べて100psと110Nmほど小さく、最高出力の発生回転数は1000rpm低くなってるのですが、それはSUVというカテゴリーに合わせてしっかりチューニングし直されたため。あちらは2シーターで実用性よりもとにかく走りのスポーツカー、こちらは家族や荷物を乗せることもあるSUVだけに、求められるものが異なるわけですね。

マセラティ「グレカーレ」の旗艦グレード「トロフェオ」が搭載するエンジン“ネットゥーノ”は、サウンド、回転フィール、パワー感のすべてが極上

マセラティ「グレカーレ」の旗艦グレード「トロフェオ」が搭載するエンジン“ネットゥーノ”は、サウンド、回転フィール、パワー感のすべてが極上

 この“ネットゥーノ”エンジン、実に気持ちいいのです。少し前のモデルまで、マセラティのエンジン=フェラーリのエンジン=快感エンジン、という方程式が成り立っていましたが、もはやそれは過去の話。この“ネットゥーノ”は完全にマセラティが設計し、マセラティが開発し、マセラティがチューニングしている自社製エンジンです。

 これが絶品といっていいほどの出来栄え。まず、サウンドが素晴らしい。どちらかといえば男性的な音質ではあるのですが、回転が上がるにつれて透明度を増し、アクセルペダルというタクトに合わせて自在にオクターブを変えながら美しく歌い、聴く者の心をとろけさせていくのです。

 音フェチである僕は、それだけで魅了されました。フェラーリエンジン時代のマセラティに対し、全くひけを取ってないのです。電動化が進む時代にこうした内燃エンジンをわざわざ独自開発して世に送り出したことに、マセラティの矜恃を感じざるを得ません。

●“ネットゥーノ”を味わうために「トロフェオ」を選ぶ

 もちろん“ネットゥーノ”の魅力はサウンドだけじゃありません。吹け上がりはすばやくなめらかで俊敏、トルクは豊かで柔軟性に富み、どこからでも即座にパワーを解き放ち、思いのままにスピードを手に入れていくかのよう。2トンの車重をものともせず、極めて軽々と、ときとして鋭く走らせます。

 その際、ドライバーはまるでスポーツカーに乗ってるかのような錯覚すら感じてしまうほどで、それも含めてなんだかものすごくドラマティック。このエンジンを味わうためだけに「トロフェオ」を選ぶ価値は十分あるとすら感じます。

「GT」と「モデナ」の2リッター4気筒ターボ+マイルドハイブリッドにも驚かされたし感銘を受けましたが、一番はどれ? とたずねられたら、僕は「“ネットゥーノ”!」と答えるでしょう。

ドライブモードを切り換えると足腰が一瞬にして引き締まる

 グレカーレの「トロフェオ」が素晴らしいのはエンジンだけではありません。

 車体の剛性が高く、素のままでも足がよく動いて、乗り心地の面でもハンドリングの面でも実力者であることは4気筒モデルでも確認済みでしたが、「トロフェオ」はさらに電子制御ダンパーとエアスプリングが与えられています。いわゆるエアサスペンション。これがまた絶妙だったのです。

マセラティ「グレカーレ」の旗艦グレード「トロフェオ」が搭載するエンジン“ネットゥーノ”は、サウンド、回転フィール、パワー感のすべてが極上

マセラティ「グレカーレ」の旗艦グレード「トロフェオ」が搭載するエンジン“ネットゥーノ”は、サウンド、回転フィール、パワー感のすべてが極上

 乗り心地は極めて良好。走行モードで「コンフォート」を選び巡航していると、サスペンションは豊かにやわらかく伸び縮みして、路面の凹凸を難なくやり過ごしていきます。

 その所作を感じながら、僕の頭の中には“エレガント”という言葉が浮かんで来ました。これはロングドライブに出かけたとしても、1日中ずっと快適、舌ざわりのいい甘さとまろやかなゆとりを感じながら過ごすことができるだろう、と感じます。

 が、ドライブモードを「スポーツ」あるいは「コルサ」に切り換えると、足腰が一瞬にしてキュッと引き締まり、しなやかな筋肉を持つアスリートのような乗り味を示すようになります。

 硬めではあって、余計な上下左右の動きを巧みに抑えてくれるのだけど、それでもゴツゴツしたようなカドなどは全く感じさせず、十分に快適さを保ってるといえるレベル。もちろん、それらのモードではコーナーでの所作ははっきりとスポーティですし、コーナリングスピードもなかなかの速さで、思わず口元を緩めてしまうような操縦感覚を味わえます。

 そのときのハンドリングの印象は、シャープではあるけれどシャープすぎず、ステアリングを操作したときに無意識に予想しているとおりの動き方に微塵も緩慢さも感じさせずにピタリとはまる、といった感じです。そのバランス感覚や、「お見事!」というほかありません。そういうクルマが気持ちよくないはずはないし、楽しくないはずなんてないでしょう?

* * *

 ワル目立ちしないけれど、どこにいても埋没することのないエクステリア、居心地のよさと美的なセンスを感じさせるインテリア。そうしたところの魅力については「GT」と「モデナ」のレポートでも触れており、そもそも、ひとりひとりが心で感じて判断する部分でもあるので、ここではあえて繰り返すことはやめておきます。

 でも、個人的に好感を抱いてるそうした部分を横に置き、さらに1500万円オーバーというプライスタグを考えても、いざ乗ってみるとマセラティらしさの真髄みたいなものがたっぷりと気持ちよく絡みついてくるグレカーレの「トロフェオ」には、すっかり心を持っていかれるような気分です。きっとこういうのを“墜ちた”状態というのでしょうね。

●Maserati Grecale Trofeo
 マセラティ グレカーレ トロフェオ
・車両価格(消費税込):1520万円
・全長:4860mm
・全幅:1980mm
・全高:1660mm
・ホイールベース:2900mm
・車両重量:2030kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHCターボ
・排気量:2992cc
・変速機:8速AT
・最高出力:530ps/6500rpm
・最大トルク:620Nm/2750rpm
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)255/40R21、(後)295/35R21

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