ロシアによる軍事侵攻を巡り、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日深夜、「ロシア軍の誘導弾が(東部ハリコフ州の)輸血センターを攻撃した」と明らかにした。死傷者が出ているという。ロシア軍との間で軍用無人機(ドローン)だけでなくミサイルや砲撃による激しい応酬も続いている。
5日の輸血センターへの攻撃は、ゼレンスキー氏が通信アプリ「テレグラム」で写真とともに伝えた。東部のロシアの占領地に近いクピャンスク市にある。爆撃で建物が破壊され、炎に包まれている。死傷者の数や被害の詳細は明らかになっていない。
ロシア軍は5日夕から6日朝にかけて、大規模なミサイル攻撃をウクライナに仕掛けた。イラン製ドローンも投入した。これに対して、ウクライナ軍は6日朝、30発の巡航ミサイルと27機のドローンを撃墜したと発表した。
ゼレンスキー氏によると、5日夕のミサイル攻撃では南東部ザポロジエ州にある航空機エンジン製造のモトール・シーチ社も標的になった。被害状況は不明だ。西部フメリニツキー州などでは空軍基地も攻撃され、民間の住宅にも被害が出ている。
一方、ロシアが占領する東部ドネツク州の親ロシア派幹部は6日、5日夜に中心都市ドネツク市内の経済貿易大学がウクライナ軍の砲撃を受けたと述べた。米国が供与したとみられるクラスター爆弾が使用され、大規模な火災が起きたと主張した。
ロシアの占領地域でも民間人に被害がでているもようだ。タス通信によると、ドネツク市で5日、ウクライナ軍の砲撃で女性1人が死亡した。南部ヘルソン州の占領地域でも民間人2人が死亡したとしている。
ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は5日、X(旧ツイッター)で「(攻撃の)規模を拡大し、距離を延ばす」と述べた。「ロシアの標的はウクライナの兵器にとって最も良い射撃場だ」とも指摘し、ロシア軍への砲撃やドローン攻撃を増やす方針を示唆した。
モスクワのソビャニン市長は6日、同日午前にモスクワに向けて飛来したドローンが防空システムにより撃墜されたと明らかにした。
ゼレンスキー大統領は7月30日「戦争は徐々にロシア領に戻っていく、その象徴的な中心地や基地に」と述べた。8月4日には、黒海に面するロシア南部ノボロシスクの軍港でロシア軍の揚陸艦を攻撃したことを示唆するなどウクライナ軍の攻撃範囲を広げている。
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