Sunday, August 27, 2023

ランボルギーニCEOに聞く、電動化戦略とエンジン車継続の可能性 - ITpro

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 自動車業界は、パワートレーンの電動化という大きな転換期を迎えている。スポーツ車も例外ではない。これまでエンジン車を得意としてきたスポーツ車メーカーが電動化を加速させている。今後スポーツ車はどう変化していくのか。イタリアAutomobili Lamborghini(アウトモビリ・ランボルギーニ)の会長兼最高経営責任者(CEO)であるStephan Winkelmann(ステファン・ヴィンケルマン)氏に、電動化戦略やエンジン車継続の可能性について聞いた。

ステファン・ヴィンケルマン氏

ステファン・ヴィンケルマン氏

アウトモビリ・ランボルギーニ会長兼CEO。(写真:アウトモビリ・ランボルギーニ)

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 自動車業界が大きく電動化へ舵(かじ)を切るのは、各国の規制が関連している。例えば、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は、2035年以降、合成燃料(e-fuel)を使う場合を除き、エンジン車の新車販売を禁止することを発表している。中国は2035年をめどに、新車販売の全てを環境対応車とする方針だ。これらの環境規制を背景に、電動車の販売台数が世界で増加傾向にある。

 エンジン車を得意としてきたスポーツ車メーカーも電動化戦略を推し進める。ドイツPorsche(ポルシェ)は、2030年に新車販売の80%を電気自動車(EV)とする目標を掲げる。イタリアFerrari(フェラーリ)も、2030年には新車販売のうち、EVだけで40%、プラグインハイブリッド車(PHEV)を含むハイブリッド車(HEV)が40%、内燃機関車が20%の比率にすることを目指している。

初のEVはGTカー

 ランボルギーニも電動化戦略「Cor Tauri(コル・タウリ)」を進める。コル・タウリとは、ラテン語で「雄牛の心臓」を意味し、おうし座の中で最も明るい星を指す。同社が進める環境持続可能性の道程を示した言葉である。2022~2026年で電動化への投資に18億ユーロの予算を割り当てる見通しだ。

 コル・タウリの第1段階がPHEV化である。2023年に発表したPHEV「レヴエルト」を皮切りに、2024年末までにラインアップの全車を電動化する予定だ。ヴィンケルマン氏によると、「電動化に対する顧客の反応は良好だ」という。レヴエルトは2026年までほぼ2年分完売したことを明かした。今後、多目的スポーツ車(SUV)の「ウルス」やスポーツ車「ウラカン」の後継車も順次、電動化していくとした。

レヴエルト

レヴエルト

電動化戦略の鍵となる車種である。(写真:日経Automotive)

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 PHEV化の次なるステップはEVである。2023年8月に同社はEVのコンセプトカー「ランザドール」を発表した。今後、ランザドールの市販版が2028年に登場する同社初のEVとなる。

 ランザドールについて同氏は、性能を追求した2人乗りのスポーツ車ではなく「4人乗りのGTカーになる」と説明する。レヴエルトよりも日常走行における快適性を向上させる。ランザドールは、前後にモーターを1基ずつ搭載する四輪駆動(4WD)車で、システム全体で1MWの最高出力を発揮する。同氏は電池の種類については明言しなかったが、「全固体電池は搭載しない」と明らかにした。

ランザドール

ランザドール

2028年に市販版が登場予定。同社初のEVとなる。(写真:アウトモビリ・ランボルギーニ)

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