Sunday, July 31, 2022

【大鶴義丹・54歳、迷走の果て Vol.3】スペアエンジンを全バラに! エンジン内部の消耗品は廃盤のオンパレード - WEBヤングマシン

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近年はハードなオフロード遊びに夢中だった俳優の大鶴義丹さんがスズキGSX1100Sカタナを入手。連載第3回ではスペアエンジンを入手し、さっそく全バラに……。公式YouTubeチャンネルではカタナで首都高を流す映像や、エンジン全バラシーンを公開中!

●文:大鶴義丹

大鶴義丹(おおつる・ぎたん)/1968年4月24日生まれ。俳優、作家、映画監督など幅広いジャンルで活躍。バイクは10代の頃からモトクロスに没頭。その後、ハヤブサやGSX-Rシリーズでカスタム&サーキット走行も楽しみ、最近はハードなオフロード遊びがメイン。2012年に公開された映画「キリン」では脚本監督を手がけた。映画「キリン」から10年が経過し、スズキGSX1100Sカタナを入手した。

ブログ 大鶴義丹 不思議の日々
YouTube公式チャンネル 大鶴義丹の他力本願

「エンジンの買い置き」

ゴマ油からシャンプーまで、うちの妻はすべてを「買い置き」し過ぎるクセがあり、それが原因で夫婦ケンカになることが多い。しかしそんな私も、カタナの中古エンジンを「買い置き」した。

その理由は至極簡単。今の乗っているエンジンは絶好調なのだが、それをオーバーホールして、究極の新品ノーマル状態にしたいからだ。

だが素人故に、完成の目途や失敗するリスクが高い。すると場合によってはカタナが不動車になることもある。だったら、中古エンジンを買い足してオーバーホール。完成したら今のカタナに載せれば良いと気がついた。そして今のカタナから取り外したエンジンを、再びオーバーホールと、無限ループが始まる。

「エンジンはオモチャだ」

MIGLIORE|ミリオーレ|大鶴義丹|SUZUKI GSX1100S KATANA|カタナ|スズキ|

1986年製の黒エンジンを入手。腰上、腰下とバラしていくと、子供の頃にいろいろなおもちゃをバラバラにした記憶が蘇る。 [写真タップで拡大]

今のように、オモチャまですべてがデジタル化される以前、昭和の子供は自分のオモチャを分解した。誰でもそんな記憶があるはずだ。

私もオバアチャンに買ってもらったミニカーからゼンマイで走る車、電池で動くロボットまですべてを分解した。とくに電池で歩くロボットの内側を見たときの興奮は今でも鮮烈に記憶にある。モーター、歯車がアームを押し引きして、それが足を順番に動かし、ヨタヨタとロボットが歩くことになる。その仕掛けを理解するや、子供ながらに、この世の中のすべての「理」を手に入れたような気持ちになった。

16歳になり、バイクの改造に没頭した。将来は、バイク関係のエンジニアや研究者になれたらと思っていた。しかし人生は残酷なもので、自分は「文系」であることを悟った。

そんな酸っぱい青春の「悟り」から40年近い時間が過ぎようとしているが、三つ子の魂ナンチャラで、結局、仕事以外の時間と金はすべてバイクになってしまった。最近では「色気」よりも「排気」ガスばかりで、電動からエアツールまでと、小さなバイクショップが営めるような工具や設備を自宅バイク部屋に投資して、重整備は当然のこと、エンジンを開けるのが楽しくて仕方がない。

「中古エンジンという、おみくじ」

手に入れた中古の空冷カタナエンジンは、見た目は上物だが、それでも中古エンジンはプロにとっても、難しい「おみくじ」であるという。

空冷カタナの販売から、カスタム、レストアと、空冷カタナに精通しているテクニカルガレージRUNのS社長曰く、元気に走っている車両から取り外したエンジンなら予測はできる。だが現実的に、走っている車両からわざわざエンジンを取り外すことはない。つまりエンジンが単体になるということは、必ず何かしらの「理由」が多かれ少なかれあると。

私の厄介事すべてを無茶振りされているS社長は、いよいよ面倒見切れないと泣きそうな顔をしていたが、高円寺で美味いヤキトンとホッピーをおごれば何とかなるだろう。

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ヒマを見ながら、半月ほどかけて分解&清掃。詳細はYouTubeにて。全バラになったエンジンがリビングを占拠する……。 [写真タップで拡大]

「内燃機関はヘリテイジだ」

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SUZUKI GSX1100Sの1/12スケールのタミヤ製のプラモデルも入手……。 [写真タップで拡大]

若いときから、四輪のエンジンのターボチューニングや、新しいバイクのエンジンオーバーホールは何度も経験しているが、古い空冷四気筒のレストア的なオーバーホールは初めてだ。

四輪R32GT-RエンジンであるRB26DETTでは、タービン交換からボアアップまで経験している。だがそれは、そのエンジンが最新であった時代でのこと。大きなものから小さなものまで、すべての純正の新品パーツが安く手に入った。

空冷カタナのような、クラシックバイクに足を踏み入れているような車種ではまったく話が違う。新しいエンジンと古いエンジンのオーバーホールやチューニングの違いは、単なる部品交換だけでは済まないことだ。

とくに空冷カタナの純正パーツは、エンジンの主要重要パーツがぞくぞくと廃盤になっている。幾つかの有名カタナ専門店が、頑張って空冷カタナの「復刻パーツ」を製造しているが、それでもすべては追いつかない。ピストンやカムなどの派手な改造パーツなどではなく、地味ながらエンジンの機能を支える重要パーツが手に入らない。

スズキにとって空冷カタナというのは、唯一無二の「歴史的アイコン」であるのは言うまでもなく、それが動態保存できなくなってしまう意味を分かっているのだろうか。電化の潮流があるからこそ、逆に空冷カタナをヘリテイジする必要があるはずだ。だが今の日本の大企業に、そんな気概を求めるのは難しいのかもしれない。社内でそんなことに熱を上げたとしても出世街道には関係ない。逆に飛ばされるかもしれない。

そいう点ではカワサキが英断した、空冷Zエンジンの「シリンダーヘッド公式再販」などは、あらためて凄いことなのだと理解した。

「首都高の青い鳥キング」

私が手に入れた空冷カタナのエンジンは、1986年製の黒エンジン。考えると、それが生まれたのは私が高校二年のときだ。それくらい大昔のクラシックバイクということ。

空冷カタナの750といえば「バリ伝のヒデヨシ」を思い出すが、私はどうしてか、「あいつとララバイ」の首都高の青い鳥キングが青春の憧れだった。1100のカタナは、研二君がアメリカに渡った先で知り合った「ディーブのフルチューンカタナ」が懐かしい。

カタナで首都高を走っているYouTube動画などを作ってみたりしたが、同年代などから結構な反響があった。やはりみんな、あの頃が忘れられないのかもしれない。

「空冷カタナ、オーバーホールの現実」

勉強しながらの分解と清掃なので、ヒマを見てのスローペースだ。全バラまでで、大体半月ほどの時間がかかった。

実際に空冷カタナのエンジンを完全分解して感じたのは、40年近い時間を取り戻すのは簡単ではないことだ。表面的にはキレイでも、計測して数値化すると、その劣化は生半可ではない。

エンジンを分解し始めた当初は、軽いチューニングなどもしたいと「スケベ心」もあったが、現実を知るや、可能な限り「ノーマル維持」が理想だと理解した。

とくに肝心要のクランクシャフトなどは、有名専門店自体でも良いものが手に入らずに難儀している。厄介なことにカタナ1100のクランクシャフトは、空冷Zのように分解が困難な構造で、専門の内燃機職人でも嫌がる。またクラッチの外側にある、「通称・バスケット」とも言われる大きな消耗部品も廃盤状態で、私もこれの入手のために海外サイトを駆けずり回っている。

純正レストアに必要不可欠なオーバーサイズピストンも廃盤、ミッションなどの細かいパーツも同様で、ショップレベルでは再生できないロッカーアームシャフトなども廃盤。エンジン内部の消耗品において廃盤のオンパレードだ。

実際に自分の手で分解して、入手不可能になりつつある主要パーツの存在意義を理解するや、改造チューニングどころではないと思った。良いオイルをケチらずに入れ、壊さないように大事に乗るしかない。サーキット走行など「論外」ということになる。

しかしそれは同時に、バイクとしては「ツマラナイ」ということになってしまう。大型バイクなのでガツンと回して元気よく乗り回すのが正しい姿だ。二律背反、正しい答えはない。それぞれのライダーが決めていくしかないだろう。

ただしエンジンを壊したら、金銭で解決できないことも含め、想像を絶する苦労が待っているのは現実だ。そこから目を背けてはいけない。

MIGLIORE|ミリオーレ|大鶴義丹|SUZUKI GSX1100S KATANA|カタナ|スズキ|ケイファクトリー|オイルパン
MIGLIORE|ミリオーレ|大鶴義丹|SUZUKI GSX1100S KATANA|カタナ|スズキ|ケイファクトリー|オイルパン

GSX1100Sカタナ用の、ケイファクトリー製ビレットオイルパン。ドレンボルトがサイドあり、エキマニを外さずにオイル交換が可能になるアイテム。 [写真タップで拡大]

「自宅エンジンオーバーホールの意義」

自宅でのカタナエンジンのオーバーホールは、機械好きとしては「至福の時間」であると同時に、旧車の現実を知る「悲しい旅」の始まりでもあった。この先も、さらなる困難が待ち受けているのは避けられないと覚悟している。だが、より深く空冷カタナという存在を知るということにおいては、これ以上の方法はない。

今はまだ、エンジン全バラの段階であるが、通常のバイクメンテでは不可能なレベルな情報量が、肌感覚も含めて私の中に蓄積された。

これらはお金では手に入れられない。悩みながら、自ら油まみれになった者だけ手にいれられる、とても大きな「財産」だ。

これから先は、テクニカルガレージRUNのS社長と相談しながら、可能な限りノーマル維持の方向で、部品の計測、内燃機屋さんにどんな施工をしてもらうか、パーツの再利用、復刻新品パーツの有無などを、お盆明けに決める予定だ。


※本記事は”ミリオーレ”が提供したものであり、著作上の権利および文責は提供元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

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新型エクストレイル 可変圧縮比ターボエンジンもモーターも新開発のe-POWER その中身 - MotorFan[モーターファン]

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日産の新型エクストレイルは、グローバルに展開するSUVだ。北米や中国では1.5ℓ直3可変圧縮比(VCR)ターボエンジンにCVTを組み合わせるが、日本仕様はe-POWERのみのラインアップとなる。このe-POWER、エンジンもモーターも新しい意欲作である。

新型エクストレイルが搭載する発電用エンジン、KR15DDT型。ちなみに、KRは可変レシオ=Kahen Ratioの頭文字からきている

搭載するのは「自動車技術者の夢」を実現した発電用エンジン

日産のe-POWERは、いわゆるシリーズハイブリッドである。エンジンで発電し、モーターで駆動する。つまり、100%モーター駆動である。

第一弾は大ヒットした先代ノートに積まれてデビューした。
先代ノートe-POWER:1.2ℓ直3DOHC(HR12DE型)+モーター(EM57型)
その後、セレナ、キックスにも搭載された。

現行ノート/ノート オーラは、e-POWER専用モデルとなり
先代ノートe-POWER:1.2ℓ直3DOHC(HR12DE型)+モーター(EM47型)へと進化した。またリヤにMM48型という新しいモーターを載せた4WDも設定されている。

さて、そして新型エクストレイルだ。
新型エクストレイルは発電用のエンジンが1.5ℓ直列3気筒DOHC可変圧縮比ターボに進化した。

エンジンスペックは
形式:1.5ℓ直列3気筒DOHCターボ
型式:KR15DDT
排気量:1497cc
ボア×ストローク:84.0mm×90.1mm
圧縮比:8.0-14.0
最高出力:106kW/4400-5000rpm
最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
燃料供給:筒内燃料調節噴射
となっている。

このエンジン、同じ可変圧縮比を実現した2.0ℓ直列4気筒DOHCターボの3気筒版と考えればよさそうだ。

4気筒版のスペックは
形式:2.0ℓ直列4気筒DOHCターボ
型式:KR20DDET
排気量:1970-1997cc
ボア×ストローク:84.0mm×90.1mm
圧縮比:8.0-14.0
最高出力:200kW
最大トルク:390Nm
燃料供給:筒内燃料調節噴射+ポート噴射
である。

KR15DDTをバルクヘッド側(車両広報側)から見る。後方排気でターボチャージャーが見える。

KR20DETTは、燃料供給をDI(筒内燃焼直接噴射)とPFI(ポート噴射)を併用していたが、エクストレイルのKR15DDTはDIのみとなっている。KR20DETTは4気筒だが、ツインスクロールではなく、電子制御ウェイストゲート付きのシングルスクロールターボを使っている。KR15DDTも同様だろう。

KR15DDTのキモはVCRを実現する機構

クランクピンを支点として両側に回転軸を持ったロッカーアームの一端にコンロッドが、もう一端にモーターでレバー比を変更できるリンクレバーが取り付く。モーターが回転するとリンクのレバー比が変わり、コンロッドの大端部位置が上下することで、圧縮比が8.0 (高負荷時) から14.0 (低負荷時) まで連続可変する仕組み。コンロッドの支点がピンからオフセットしているため、サイドスラストが軽減され二次振動がほとんどなくなることからバランサーはなし。ここもVCRのメリットだ。

低負荷時、巡航時は高圧縮比(14.0)で運転し、フル加速時など負荷が高いときは低圧縮比(8.0)で運転する。

e-4ORCEはリヤにサクラと同じMM48型モーターを積む

フロントは新開発のBM46型モーターで駆動する。BM46型はアリアが使う「巻線界磁式」ではなく、通常の交流同期モーター(IPMモーター)である。

バッテリーはもちろんリチウムイオン電池

前席下部に搭載される駆動用のリチウムイオンバッテリーは96セル・容量1.8kWhとハイブリッド用としては大きめだ。ちなみに、ノートe-POWERは1.5kWhである。

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Friday, July 29, 2022

中国製の自転車用エンジン(!?)を分解してみた〈自作モペット製作記〉 - WEBヤングマシン

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自作モペット製作記

バイクを自作する! という、ある種究極のDIYにトライするべく「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン組立キット」を衝動買いしたバイクメンテナンス系YouTuberのDIY道楽テツ氏。組立キットのパーツを確認した前回に引き続き、本記事では特にエンジンに注目。YouTuberとしてのメンテナンス技術を生かして分解を行い、その仕組みと内部構造を明らかにする。

DIY道楽テツ

【YouTubeクリエイター:DIY道楽テツ】バイク雑誌の編集に携わったのち、20年以上の溶接の経験を活かしてDIYに勤しむYouTubeクリエイター。「バイクを元気にしたい!」というコンセプトで定期的に動画を配信している。最近では徒歩旅に目覚めたという。’76年生まれの2児の父。[URL]DIY道楽(メインチャンネル) / のまてつ父ちゃんの日常(サブチャンネル)

原付のDIYキットを購入。まずはエンジンを大解剖!

自分の手で「原動機付自転車」を作ってみたい! ってことで、「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン」を半ば衝動買いしてしまったのが前回までのあらすじ。

基本的にはクロスバイクやビーチクルーザーのような三角フレームの自転車に載せるための設計になっているようですが、その気になればママチャリにも搭載できるはず。そんな、エンジンが載ったママチャリを想像するだけでワクワクが止まらない!

その中でも、やっぱり一番興味あるのが「エンジン」ですよね。ぱっと見は、一目見ただけでエンジンだとわかる形で、クランクケースもあればシリンダーもあって、一丁前にフィンも刻まれている可愛さ。

だけども…小さいのですよ。そんでもって、軽い。片手で楽々持ち上がるし、そのままポンポンと投げることも可能なレベル。

説明書によればオイルが入ってないそうです。まさかのオイルレス!? ミッションは無いはずだけどもクラッチはあるはずだし、自分がこれまで見てきたエンジンは全部オイルが入っていたのでその中身がどうにも予想ができない。

と、いうわけで、ちゃんと動いてくれそうかチェックもしたかったので…バラします!

自作モペット製作記

自転車に積み込む都合上、ひょいっと持ち上がっちゃうくらい軽いエンジン。中が気になるので、バラしちゃいます!

エンジンを分解してみます。初っ端の難関はカバーのねじ。いきなりナメられちゃってますが…

いきなりですが、このエンジン…外観でとても目を引いたのがカバー類のボルト。なぜだかすべてがマイナスネジ(!)なのですよ。こんなエンジン見たことない。確かに古いバイクや機械にはよくあるとはいえ、なんとノスタルジックな姿なのでしょうか!

…なあんてシミジミしてたら、いきなり中国製の洗礼がきました。ネジがナメてる…。

新品ですでにナメてるとかってマジか。しかも一か所だけでなく、全部で三か所ほどヤバい状態でした。しかも締め付けトルクもバラバラなので、マイナスドライバーはサイズが合っている、しかもシッカリしたものを用意しておきたいところですね!

自作モペット製作記

各部品を留めるボルトはなぜか全部マイナスネジに統一。

自作モペット製作記

ナメやがって…!!!!(新品のハズです)

ともあれ、2つあるカバーを開けてみると、最初に出てきたのはドライブスプロケット。このスプロケットの真ん中にプッシュロッドが通っていて、スプロケットカバーに取り付けられているレバーでこのロッドを押し込む仕組みになってます。てことは、この反対側にクラッチがあるのでしょう。

もう1つのカバーには、なんとも可愛いサイズのジェネレーターが収まっていました。小さい、小さいぞ、これはっ!! いきなりですがインナーローター状態。これだと点火用の最低限の発電しかできなさそうなので、もし公道仕様にしようとしたらそれ相応の発電系の強化をするか、別途バッテリーが必要になるかもしれませんね。

自作モペット製作記

2つあるカバーを開けると、ジェネレーター(写真左)とドライブスプロケット(写真右)が出てきました。

本当にオイルレス!クラッチは乾式クラッチ(?)でした

そして、クラッチカバーを開けるとクラッチが姿を現しました。クランクのギアに取り付く形になっており、やけにシンプルです。

実際に見てみると、うん、本当にオイルが入ってない! なにやら青いグリスが塗られているだけでした。これはマメにグリスアップしなきゃですね~…。って、ここにもマイナスネジ。ナメてはいないにせよ、随分と痛んでおりますねっ!!

自作モペット製作記

オイルが入ってないから乾式クラッチ…?

自作モペット製作記

オイルの代わりに青いグリスがたっぷり差してあります。

ピストンとご対面! 新品らしからぬ傷がついてますが気にしない?

空冷の2サイクルエンジンなので、シリンダーの分解は至極簡単です。4か所の袋ナットを外して、引き上げれば「ポコッ」と外れます。

そのまま、シリンダーもスルスルと抜き取れば…ほい、あっさりとピストンとご対面~!! なんか溶接痕っぽいのが残っていたり、どうみても新品じゃないような気もしますが…。まぁ、引っ掛かりはなさそうなので気にしないでおきましょう(笑)。

自作モペット製作記
自作モペット製作記

さぞ綺麗なピストンかと思いきや、なんかスカート部分に溶接で埋めたような?? 跡があったり。

自作モペット製作記

シリンダーの内壁にそこそこの距離を走った後かのような傷がついていたり??

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ピストンリングはやたらに厚みがあるので、ここらへんの耐久性はありそうです!

いや~、それにしてもシンプル! 息子が「教科書に載っていたエンジンみたい」と評しておりましたが、確かに!! ギアはおろか、リードバルブすらない、無変速のピストンバルブ2サイクルエンジン。道具さえあれば、ものの10分でクランクまでバラバラにできそうなエンジンですね~~。

ちなみに、意外とエンジン内部はバリも引っ掛かりもなかったのですが、外側に目を移すと…引っかかるというか、もはや手が切れるレベル。くれぐれも気をつけないと…。というか、その前にとっととヤスリで削っておきたいところですね(もうすでにDIYが始まっているのです)。

自作モペット製作記

内部は意外と大丈夫ですが、外側のバリが凄い。バリバリ伝説です。

極めてシンプルな自作モペット用エンジン。コイツが動いているところを見てみたい!

中身を見れて満足できたので、外した部品を元通り組付けていきます。適正な締め込みトルクはわかりませんが、一般的なトルクで締め込みます。

いや~、いいですね。楽しいですね! 精密でハイテクな現代エンジンも面白いですが、もう基本手設計がいつなんだか分からないようなノスタルジックで古式ゆかしいエンジンってのもまた面白いものです。

自作モペット製作記

簡単に組みバラしができるので、エンジン初心者にもオススメ!

構造がある程度わかったことだし、お次は…このエンジンが動いているところを見てみたくないですか?そのエンジン音を聞いてみたいと思いませんか!?

車体が完成してからの始動となるとまだまだ先になってしまいますが、そもそもこのエンジンがちゃんと動くかテストもしたいので、次回はエンジン単体での始動実験をやってみたいと思います!!

今回もご視聴ありがとうございました~!

自作モペット製作記

次回は、エンジンをかけてみます!!

動画解説はこちら↓

(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪

私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」

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「メカチューン仕様の4Kエンジンを直立搭載!」ワークス真っ青のKP61スターレット見参 - MotorFan[モーターファン]

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現代のチューニング技術で乗りやすさと快適性を大幅アップ!

F-CON Vプロ制御で快感フィーリングを実現

最後のFRスターレットであるKP61型と言えば、ラリーの神様「オベ・アンダーソン(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)」が山岳エリアを疾走するテレビCMを思い出す人も多いだろう。質実剛健な性能を大々的にアピールするだけあって、現役時代は国内ラリーやダートラ、ワンメイクレースなど、数多くのステージで活躍した名車だ。

そんな秀逸なベース車だけに、当時はTRDから数々のレーシングエクイップメントが発売されていて、それらを組み込んでワインディング走行を楽しむオーナーが多かった。

今回紹介するKP61は昭和59年式の「DX(デラックス)」がベース。そして、オーナーである鈴木さんのチューニングコンセプトは「快適な街乗り仕様」というものだ。

エンジンは79φハイコンプピストンを組み込んだ4K-U(II)の腰下に、高強度で燃焼室の加工自由度も大きい4K-Uヘッドをセットした1430cc仕様だ。しばらくはウェーバー40φキャブで遊んでいたが、「快適な街乗り仕様」を求めて“カーショップポルシェ”でスポーツインジェクション化を敢行。最高出力も100psオーバー(ノーマル:72ps)まで高まり、万能型のハイレスポンスユニットへと進化した。

スロットルシステムはカーショップポルシェによるワンオフメイド。普段の街乗りでは吸気管長の長い低中速重視のカーボンファンネル+フィルター仕様で運用。高回転域を多用したい場合は、ワンオフのショート寸アルミ製ツインファンネルに変更するそうだ。

昭和50年代のクルマに似つかわしくないエンジンセッティング風景。HKSのF-CON Vプロで綿密にマネージメントすることで、現代のクルマと遜色ない日常性を与えているのだ。

エンジン搭載角度にも拘った。当時、ワークスのマイナーツーリングレース車両が採用していたエンジンの直立化を実行したのである。

というのも、KP61に搭載される4Kエンジンは、正面から見ると右側に傾斜していて、吸気は一度下ってから上るという経路を辿るため効率が悪い。その経路をストレート化するための策こそが直立化なのだが、エンジンマウントの製作はもちろん、エンジン同様に角度が変化するミッションに合わせたミッションメンバーの加工、長さが足りなくなるEXマニの延長など、かなりの大手術が必要だったそうだ。

足回りはビルズの車高調を軸にセットアップ。なお、KP61のリヤサスペンションは本来ダンパーとスプリングがセパレートとなっているが、セッティング幅を広げるためにコイルオーバー化している。

高められた動力性能とバランスを取るべく、フロントキャリパーにはAE86用を移植。ホイールはワークエクイップ・ゼロワン(F6.5J+13 R7.0J+7)の特注色。タイヤは快適ストリート仕様ということで、ブリヂストンのREGNO(165/55R14)を4本通しで履く。

ロールケージに覆われた室内は、かつての峠仕様を思い出させてくれる仕上がり。ステアリングはナルディラリーで、メインメーター前にはピボットの大型タコメーターとAEMのA/F計を設置。リヤタワーバー部には、シンメトリーレイアウトでBOSEの101RDスピーカーと小型の扇風機をマウントしている。

センターコンソールにはオートメーターの52φ(水温、油温、油圧)を3連で並べ、下段にカロッツェリアの1DINオーディオをインストール。

単純に全盛期のチューンドを再現するのではなく、現行モデルとの走りにも十分通用する高いクオリティを徹底追及したKP61スターレット。まさに最新のレーシング旧車と呼ぶに相応しい極上の1台だ。

●取材協力:カーショップポルシェ 山梨県南アルプス市東南湖952-2 TEL:055-284-0813

【関連リンク】
カーショップポルシェ
http://www.polsche.com

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