どんなトラックになるだろうか(写真:Akio Kon/Bloomberg、Bantam/ PIXTA)
7月8日に行われたこの発表は、一見地味ながら将来振り返った時には、とても重要なものだったと評されるに違いない。届けられたリリースのタイトルは「いすゞ、デンソー、トヨタ、日野、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)、大型商用車向け水素エンジンの企画・基礎研究を開始」である。
同じ水素を使う大型商用車については、これまで燃料電池(FC)を搭載するものがトヨタ自動車と日野自動車、いすゞ自動車とホンダなどで開発が進められてきている。トヨタ、日野にいすゞも参画するCJPTでは中・小型の燃料電池トラックも開発中だ。
トラックを電動化するのは非現実的
海外メーカーではいくつかのメーカーがBEV(電気自動車)大型トラックの開発を表明しているが、日本勢がBEVに向かわないのは、大型トラックをある程度の距離走らせるだけのバッテリーを搭載したら、クルマがきわめて重くなり、何より大事な荷物を積むスペースが侵食されてしまうから。トヨタ自動車CV Companyの中嶋裕樹President曰く「冗談ではなく、ほとんどバッテリーを運ぶようなものになってしまいます」というぐらい、重量、体積が取られてしまう。
そこでカーボンニュートラル時代に向けた大型トラックのパワートレインとして、FCの開発が急がれているわけだが、そんな中での水素エンジン大型トラックのニュースである。一体、どういうことなのだろうか。
水素エンジンが選択肢として浮上してきたのは、ひとつには水素エンジンを搭載したGRカローラによるスーパー耐久シリーズでのレース活動を通じて、技術が急スピードで進化してきたことが理由として挙げられる。レースでは当然、エンジンは高回転まで回されるのだが、開発担当者たちは「本当は水素エンジンは低回転・高負荷がいちばん旨味がある」と常々話しており、つまりトラックのようなものが相性がいいという話はすでに出ていた。今回の話は、その具現化と言ってもいい。
注目すべき点はいくつもあるが、まずはここに日野だけでなく、いすゞが入っていることを挙げておく。CJPTには入っている一方で、前述の通りFC大型トラックではホンダと提携しているいすゞだが、ここに来て関連技術、特に燃料インジェクターの進化などもあり、強い関心を抱いていたようである。
からの記事と詳細 ( トヨタが水素エンジントラックに本気を出した訳 | 商用車 - 東洋経済オンライン )
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