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日産自動車が、中大型車に使えるシリーズハイブリッド機構「e-POWER」を日本に導入する。第1弾は、2022年7月25日に発売する新型SUV(多目的スポーツ車)「エクストレイル」である。可変圧縮比(VCR)エンジンを採用することで、e-POWERの弱点を克服した。
「この組み合わせのe-POWERなら、大きいクルマも力強く引っ張っていける」(日産パワートレイン・EV技術開発本部パワートレイン・EVプロジェクトマネージメント部e-POWERプロジェクトマネージメントグループパワートレイン主管の仲田直樹氏)。
シリーズ方式のe-POWERは、エンジンの力で発電機を動作して電池を充電し、その電力でモーターを駆動して車輪を回す。エンジンは発電専用で、電気自動車(EV)と同様にモーターだけで駆動する。
日産はこれまで、「ノート」「オーラ」「キックス」といった小型車を中心にe-POWERを搭載してきた。排気量1.2Lの直列3気筒エンジンと最高出力100kW以下の駆動用モーターを組み合わせたシステムで、中大型車に適用するにはやや非力だった。
高速走行時に燃費が悪化する点も課題の1つ。トヨタ自動車が使うシリーズ・パラレル方式と比較すると、シリーズ方式である日産のe-POWERは高速での燃費で見劣りする。高速域ではエンジン回転数が高くなり、騒音面が目立つようにもなっている。
圧縮比を8~14の間で変化
こうした課題を克服する手段として日産が用意したのが、ターボチャージャー付きの排気量1.5L直列3気筒VCRエンジンである。新型エクストレイルの開発責任者を務めた中村将一氏(Nissan第二製品開発部第三プロジェクト統括グループチーフビークルエンジニア)は、「状況に応じて圧縮比を8~14の間で変化させることで、e-POWERの魅力を高められた」と胸を張る。
新型エクストレイルに試乗してすぐに実感したのが高い静粛性だ。
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