主要なバイク、特に50cc以下の原付の入手手段としては、普通にショップで購入するか、あるいはその手軽さから知人に譲ってもらったことのある人も多いかもしれない。少なくとも、DIYで自作した車両を乗り回す人はごく少数派だろう。しかし21世紀の現代においても「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン」は一般流通しており、実は誰でも手に入れることが可能なのだ。本記事では、どちらかといえば少数派に属するバイクメンテナンス系YouTuberのDIY道楽テツ氏が、思わず衝動買いした「モペット用エンジン組み立てキット(3万8980円)」をレポート。原動機付き自転車の自作に向けて連載を開始する。
「原付バイク」ってDIYで作れちゃうのって…知ってましたか?
突然ですが、ネット通販のAmazonでエンジンを買いました。エンジンといってもバイク用ではありません。実はコレ…自転車に取り付ける”モペット”用のエンジンなのです!
“モペット”とは、自転車としても、またペダルを漕がずにオートバイとしても走れるという乗りもの。自転車にエンジンを取り付けて動力とする古式ゆかしいジャンルのバイクですが、実は21世紀の現代でもモペット用のエンジンは販売されています。
試しにネット通販のAmazonで「モペット用 エンジン 組立てキット」で検索してみると…出てくる、出てくる! 下は30ccから上は80ccまで。2サイクルもあれば4サイクルも出てきました。
つまり、いつも乗っているママチャリに、このモペット用エンジンを載せて、ガソリンタンク付けて、マフラーやらキャブレターやらチェーンを接続すれば、バイクとして走れるということ?? 電動アシスト自転車ではない。れっきとしたオートバイ。本物の「原動機付自転車」を自分で作れるなんて、ワクワク以外の何物でもないでしょ!! 後先考えず、とりあずポチってしまいました。
“モペット”の見た目はほとんど自転車。しかし日本の法律ではオートバイとして扱われるので、公道で走るためには保安部品の装備とナンバー登録、そして保険の加入が義務づけられています。エンジンの動力を使わないペダル走行時にも車両として扱われるのでご注意を!
「原動機付き自転車」は補助エンジンを取り付けた自転車から始まった
買ってからナンですが、ここでハタと考えてしまいました。そもそも、ママチャリにエンジンを積んだところで、それをクローズドなサーキットならともかく、ナンバー登録して一般公道を走っちゃっていいのでしょうか? 自作バイクなんて法律に触れないのでしょうか?? そこで、オートバイの歴史を紐解いてみます。
皆様もこれまでに一度は「原動機付き自転車」という言葉に疑問を持ったことはあるんじゃないでしょうか?? これはつまり「原動機付き自転車」とは、そもそも”原動機”を後”付け”した”自転車”ということ。
ホンダの創業者である本田宗一郎氏も、戦後すぐは不要になった軍用無線機の発電用エンジンを元に自転車用の補助エンジンを開発/販売を行い、ユーザーは自身の自転車に取り付けて走っていたそうです。
つまり、元々原付バイクというのは原動機を買ってきて、自転車に取り付けるのが本来の姿なわけです。…なぁんだ、スクーターやスーパーカブ買うよりも、こうやってまずはエンジン買うのがむしろ王道だったのですね!?(←本当か??)
大きな荷物は大陸由来。早速開封してみましょう。
というわけで! 長ったらしい前置きはこれくらいにして、さっそく開封の儀式を執り行いましょう~! いそいそと封を切ると…まずは、やたらに印刷がきれいなマニュアルが出てきました! …ただし、こちらはフルイングリッシュ。英語まみれなのでワタシにはチンプンカンプン。だけどもう1冊、日本語マニュアルが入っているのを発見しました。
しかし残念! 日本語マニュアルのほうは写真が白黒な上に、ファックスで送られてきた写真をまたファックスで送り返したような…色が潰れた写真なので、判別が困難な代物でした。う~ん、これは組み立ての時に嫌な予感しかしませんね!
ガソリンタンク、チェーンカバー、何に使うかわからないチューブやらチェーンテンショナー? のような物とか。次から次へと部品が出てきます。気分は、プラモデルですね~。ちなみに、入っていたチェーンは415サイズ。若干(というかかなり)精度に不安な感じがするので、これは買い替えたほうが無難かもしれません…。
内容物は下記の通り。ついにエンジンも出てきました。
謎すぎるエンジン。だけど、ロマンしか感じない!?
ぱっと見ただけで「あ、エンジンだ」ってわかる形状なのですが、よくよく見ると色々と疑問点だらけ。例えば、すべてのねじがマイナスとかね(←ナゼ?)
そんでもって、気になるエンジンのスペックは以下の通りです。中でも注目はそのパワー。なんと1.6馬力! …いってんろくばりき!! 旧モンキーの半分以下。スズキのチョイノリでも2馬力あったのから考えると…こりゃあすごいローパワー。どっちかというと模型用エンジンレベル。なんかもう、ロマンしか感じません。
エンジンスペック
- 形式:2サイクルエンジン
- ボアストローク:40mm×38mm
- 最高出力:1.6馬力/5000回転
そして最後に、エンジンのクランクケースの形状を見てみると、前後にパイプにクランプできそうなステーが二箇所ついてました。
これはつまり、マウンテンバイクやクロスバイクのような三角フレームに取り付けるための形状なようです。海外の取り付け例を見てみると、ビーチクルーザーに載せてる方もいらっしゃるようで、うまくクランプとパイプの太さが合えば、ほぼボルトオンで取り付けられるようですね。
道は険しいけどもワクワクが止まらない。実走までレポートしたいと思うのでよろしくお願いします!
今回買ってみた「モペット用エンジン組立てキット」を、私が今現在乗っているママチャリに搭載してみます。フレーム形状も合いませんし、そもそもうまくチェーンやマフラーを他の部品と干渉せずに取り付けられるのか? まだ分からないことだらけですが、ひとつひとつ楽しみながら改造をしていきたいと思います。
実際に走るところまでの道のりを皆様に共有していきたいと思いますので、長い目で今後もよろしくお願いします。今回もご視聴ありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
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からの記事と詳細 ( 原付自分でつくってみた! 自転車に取り付ける「モペット用エンジン」購入録 - WEBヤングマシン )
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