バイクを自作する! という、ある種究極のDIYにトライするべく「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン組立キット」を衝動買いしたバイクメンテナンス系YouTuberのDIY道楽テツ氏。組立キットのパーツを確認した前回に引き続き、本記事では特にエンジンに注目。YouTuberとしてのメンテナンス技術を生かして分解を行い、その仕組みと内部構造を明らかにする。
原付のDIYキットを購入。まずはエンジンを大解剖!
自分の手で「原動機付自転車」を作ってみたい! ってことで、「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン」を半ば衝動買いしてしまったのが前回までのあらすじ。
基本的にはクロスバイクやビーチクルーザーのような三角フレームの自転車に載せるための設計になっているようですが、その気になればママチャリにも搭載できるはず。そんな、エンジンが載ったママチャリを想像するだけでワクワクが止まらない!
その中でも、やっぱり一番興味あるのが「エンジン」ですよね。ぱっと見は、一目見ただけでエンジンだとわかる形で、クランクケースもあればシリンダーもあって、一丁前にフィンも刻まれている可愛さ。
だけども…小さいのですよ。そんでもって、軽い。片手で楽々持ち上がるし、そのままポンポンと投げることも可能なレベル。
説明書によればオイルが入ってないそうです。まさかのオイルレス!? ミッションは無いはずだけどもクラッチはあるはずだし、自分がこれまで見てきたエンジンは全部オイルが入っていたのでその中身がどうにも予想ができない。
と、いうわけで、ちゃんと動いてくれそうかチェックもしたかったので…バラします!
エンジンを分解してみます。初っ端の難関はカバーのねじ。いきなりナメられちゃってますが…
いきなりですが、このエンジン…外観でとても目を引いたのがカバー類のボルト。なぜだかすべてがマイナスネジ(!)なのですよ。こんなエンジン見たことない。確かに古いバイクや機械にはよくあるとはいえ、なんとノスタルジックな姿なのでしょうか!
…なあんてシミジミしてたら、いきなり中国製の洗礼がきました。ネジがナメてる…。
新品ですでにナメてるとかってマジか。しかも一か所だけでなく、全部で三か所ほどヤバい状態でした。しかも締め付けトルクもバラバラなので、マイナスドライバーはサイズが合っている、しかもシッカリしたものを用意しておきたいところですね!
ともあれ、2つあるカバーを開けてみると、最初に出てきたのはドライブスプロケット。このスプロケットの真ん中にプッシュロッドが通っていて、スプロケットカバーに取り付けられているレバーでこのロッドを押し込む仕組みになってます。てことは、この反対側にクラッチがあるのでしょう。
もう1つのカバーには、なんとも可愛いサイズのジェネレーターが収まっていました。小さい、小さいぞ、これはっ!! いきなりですがインナーローター状態。これだと点火用の最低限の発電しかできなさそうなので、もし公道仕様にしようとしたらそれ相応の発電系の強化をするか、別途バッテリーが必要になるかもしれませんね。
本当にオイルレス!クラッチは乾式クラッチ(?)でした
そして、クラッチカバーを開けるとクラッチが姿を現しました。クランクのギアに取り付く形になっており、やけにシンプルです。
実際に見てみると、うん、本当にオイルが入ってない! なにやら青いグリスが塗られているだけでした。これはマメにグリスアップしなきゃですね~…。って、ここにもマイナスネジ。ナメてはいないにせよ、随分と痛んでおりますねっ!!
ピストンとご対面! 新品らしからぬ傷がついてますが気にしない?
空冷の2サイクルエンジンなので、シリンダーの分解は至極簡単です。4か所の袋ナットを外して、引き上げれば「ポコッ」と外れます。
そのまま、シリンダーもスルスルと抜き取れば…ほい、あっさりとピストンとご対面~!! なんか溶接痕っぽいのが残っていたり、どうみても新品じゃないような気もしますが…。まぁ、引っ掛かりはなさそうなので気にしないでおきましょう(笑)。
いや~、それにしてもシンプル! 息子が「教科書に載っていたエンジンみたい」と評しておりましたが、確かに!! ギアはおろか、リードバルブすらない、無変速のピストンバルブ2サイクルエンジン。道具さえあれば、ものの10分でクランクまでバラバラにできそうなエンジンですね~~。
ちなみに、意外とエンジン内部はバリも引っ掛かりもなかったのですが、外側に目を移すと…引っかかるというか、もはや手が切れるレベル。くれぐれも気をつけないと…。というか、その前にとっととヤスリで削っておきたいところですね(もうすでにDIYが始まっているのです)。
極めてシンプルな自作モペット用エンジン。コイツが動いているところを見てみたい!
中身を見れて満足できたので、外した部品を元通り組付けていきます。適正な締め込みトルクはわかりませんが、一般的なトルクで締め込みます。
いや~、いいですね。楽しいですね! 精密でハイテクな現代エンジンも面白いですが、もう基本手設計がいつなんだか分からないようなノスタルジックで古式ゆかしいエンジンってのもまた面白いものです。
構造がある程度わかったことだし、お次は…このエンジンが動いているところを見てみたくないですか?そのエンジン音を聞いてみたいと思いませんか!?
車体が完成してからの始動となるとまだまだ先になってしまいますが、そもそもこのエンジンがちゃんと動くかテストもしたいので、次回はエンジン単体での始動実験をやってみたいと思います!!
今回もご視聴ありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
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からの記事と詳細 ( 中国製の自転車用エンジン(!?)を分解してみた〈自作モペット製作記〉 - WEBヤングマシン )
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