Monday, March 20, 2023

デジタルエンジニアリングにクラウドによる変革が必要な理由 ... - amazon.com

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本ブログはAWS Blog Why Digital Engineering Requires a Cloud Transformation を翻訳したものです。

現在、航空機、エンジン、車両、自動車、衛星、風力タービンなどの物理システムの設計者や製造者は、効率、速度、品質を向上させるためにデジタルエンジニアリングの手法を採用しつつあります。 以前のブログでは、お客様との議論を明確にするために、デジタルエンジニアリング、デジタルツイン、デジタルスレッド、モデルベースのシステムエンジニアリングなどの概念を定義しました。 このブログ記事では、デジタルエンジニアリングの導入を目指すお客様にとって、クラウドが有効なテクノロジーである理由を概説しています。

デジタルエンジニアリングにおけるクラウドの価値

デジタルエンジニアリングの主な目標は、複数のチーム、領域、組織が使用するデータ、モデル、ツール、プロセスを共通の環境に統合することです。 これにより、企業全体の情報へのリアルタイムアクセス、モデリングとシミュレーションによる迅速なフィードバック、人工知能などのテクノロジーによるイノベーションが可能になり、市場投入までの時間を短縮し、コストを削減できます。

クラウドコンピューティングは、従量課金制でインターネット経由で IT リソースをオンデマンドに提供することができます。 あらゆる種類、規模、業界の組織が、データバックアップ、災害復旧、電子メール、仮想デスクトップ、ソフトウェア開発とテスト、ビッグデータ分析、顧客向けウェブアプリケーションなど、さまざまなユースケースにクラウドを使用しています。 AWS は 200を超えるサービスを提供しており、お客様が面倒な作業をすべて自分で行うことなく、必要なソリューションを構築できるよう支援しています。 詳細については、「クラウドとは?」をご覧ください。

クラウドはデジタルエンジニアリングを実現する重要な要素になります。その理由は以下の通りです。

  • 俊敏性と柔軟性:デジタルエンジニアリング環境は、進化するニーズとモダナイゼーションに対応して、新しいテクノロジーを取り入れたり置き換えたりする必要があります。 ベンダーロックを回避し、迅速な実験を可能にします。
  • スケーラビリティ:デジタルエンジニアリング環境では、リソースの使用量はプログラムの存続期間中に大きく変化するため、チームに影響を与えずに簡単かつ迅速にスケールアップおよびスケールダウンできる必要があります。
  • 接続性:デジタルエンジニアリングは、チームが様々な場所から、社内外に組織をまたがって、お好みのツールやプラクティスを使ってより効果的にコラボレーションし、作業できるようにします。
  • セキュリティ:所有権のあるデータ、ITAR (国際武器取引規則) データ、機密データ、またはその他の保護対象データを処理する場合、プログラムデータの安全が保たれ、環境は社内基準および政府基準に準拠している必要があります。
  • 信頼性、可用性、耐久性:デジタルエンジニアリング環境は設計業務の中心となり、事業継続のための機能を確保し、長期的なデータ保護を提供する必要があります。
  • 費用対効果:デジタルエンジニアリング環境は、お客様のコスト削減に役立つ必要があります。 環境の作成やホスティング、環境管理は、費用対効果が高いものでなければなりません。

以下のセクションでは、クラウドによるデジタルエンジニアリングを導入する際に、AWS がどのようにしてお客様が上記の各要件を満たせるかを説明します。

俊敏性と柔軟性

デジタルエンジニアリング環境は、変化する設計ニーズとテクノロジーに俊敏に対応する必要があります。 AWS は最も幅広く、奥行きのあるサービスを提供しているため、お客様はより迅速にイノベーションを起こし、想像できるおおよそあらゆるすべてのものを構築できます。 サービスは数分で導入でき、モジュラーアーキテクチャにより、新しいテクノロジーを組み込んだり置き換えたりしても、影響を最小限に抑えることができます。設計チームと IT チームが協力して、自由に新しいアイデアを実験しテストすることで、アイデアから実装までの時間を短縮し、IT の制約なくビジネスを変革することができます。 具体的には、デジタルエンジニアリングでは、チームのスキルセット、トレーニング、または顧客の要望に基づいて様々なツールを使用します。開発者がアプリケーションをデプロイするのと同じように、チームがプログラムを使ってITインフラのリソースをデプロイできる Infrastructure as Code (IaC) を AWS 上で使用することで、 AWS で環境を迅速に作成できます。 IaC アプローチでは、コンテナ化されたソフトウェア、AWS サービス、パートナーソリューション、ハイブリッドソリューション、ソリューションコンストラクトを自動的にデプロイし、リソースなどへのアクセスを数秒〜数分で管理できます。 新しいプログラムが開始されると、お客様は環境を迅速に複製して再利用できるようになります。新しいツールの立ち上げ、ライセンスの管理、アクセス権限の定義といった作業に数か月を費やす必要はありません。 AWS は、DevSecOpsSoftware Factory のコンセプトに基づく「ビルダー文化」の上に成り立っています。 マイクロサービスとモジュール化されたサービスの導入により、新しいテクノロジーやソリューションを簡単に「プラグイン」できるため、お客様は進化する設計・製造のテクノロジーに遅れずについていくことができます。 AWS Marketplace には何千もの顧客向けサービスが用意されており、パートナーサービスと柔軟なライセンスモデルを提供しているため、お客様はオンプレミスにおける柔軟性のないアップグレードサイクルを回避できます。 また、AWS では、ほとんどのお客様の要件に準拠した、いつでもデプロイ可能な信頼性のあるネイティブのサービスも提供しています。 IT チームは、長い IT 承認処理や資金調達サイクルを待ったり、ライセンスサポートやフェデレーション環境へのアクセスの問題もなく、最新のサービスとアプリケーションをすばやく導入できます。

スケーラビリティ

クラウドは、事実上無制限にスケーラブルなインフラストラクチャを提供します。 シミュレーションの実行、テストの実行、大規模なデータセットへのアクセス、3D モデルの視覚化のために、チームとユーザーが貴重なサーバーリソースをめぐって競合することはもうありません。 設計レビューの準備時のように、多数のシミュレーションを実行して解析する必要がある場合においても、必要に応じて追加の計算リソースを投入できます。 チームは、数万から数十万個のプロセッサを利用できるため、わずかな時間で実行できる「超大規模な」スケーラブルなシミュレーションを構築できます。 1週間かかるテストを数時間〜数日に短縮できるため、チームはより迅速に行動できます。 さらに、クラウドは事実上無制限のストレージを提供します。 お客様は、設計、製造、テスト、シミュレーション、および運用から大量のデータを生成できます。 AWS は、設計が複雑になったり、設計データが収集される量が増えたりしても、これらのお客様がデータの増加を管理できるよう支援します。 チームは、ファイルのメール送信、ストレージ制限の管理、複数のシステム間での情報の移動、新しいデータの容量を確保するために価値のある(過去の)情報を削除してしまうことを確認する、といったことに貴重な時間を費やす必要はありません。 使用可能なストレージの量はスケールアップまたはスケールダウンが可能で、インテリジェントな階層化によりアーカイブを自動化し、ストレージコストを最適化できます。 AWS は、きめ細かな属性ベースのアクセス管理、一元管理、ハイブリッド (AWS – ベンダー – オンプレミス) 環境での作業など、お客様固有の要件に対応するテクノロジーを提供しています。

接続性

統合されたデジタルエンジニアリング環境を構築することで、情報アクセスの民主化と企業全体を通じたコラボレーションが可能になりますが、コラボレーションは企業の境界にとどまる必要はありません。 AWS は世界中にリージョン、アベイラビリティーゾーン、ローカルゾーンを提供しているため、お客様はグローバルソリューションを数分でデプロイして、各地に分散した設計チームと製造チームをサポートできます。 AWS では、エッジ向けAWS サービスで、レイテンシーやセキュリティ要件のあるお客様向けのハイブリッドソリューションもサポートしています。 エッジデバイスはクラウドにネイティブに接続されるため、超低レイテンシーのアプリケーションをユーザーの近くに置き、AWS サービスをオンプレミスで実行できます。 お客様は、デバイス、車両、製造装置などを含む完全に接続された環境を構築できます。 AWS Clean RoomsAmazon DataZone は、元になるデータを明らかにすることなく、ガバナンスとコンプライアンスポリシーを実施しながら、お客様とパートナーがデータを安全に共有および共同作業できるようにします。 データアクセスを民主化し、コラボレーションを強化すると、内部および外部のユーザー、ロール、およびグループのアクセスと権限の制御に関する課題が大きくなります。 AWS は、必要に応じてデータにアクセスして変更するためのツールを提供します。 お客様はもはや従来のデータ共有方法に縛られず、互いを緊密なパートナーとして協力することができます。

セキュリティ

セキュリティは常に AWS の最優先事項です。 AWS は、最も機密性の高い金融、医療、政府機関のプライバシーとデータセキュリティに関する最高水準を満たしています。 クロスドメインソリューションや AWS GovCloud のようなエアギャップ(完全に隔離された)リージョンを利用することで、お客様は自分に合った環境を構築できると同時に、新しいビジネスを獲得するために自社環境の認定や認証に必要な手間が省けます。 AWS の規模では、ほとんどの大企業が投資できる額よりもはるかに多くのセキュリティ警備や対策に投資でき、お客様はその成果を利用できます。 AWS セキュリティでは、最高水準のセキュリティとプライバシーによる優れた可視性、きめ細かな制御、リスク管理、スマートで自動化された対応により、安全にシステムの規模を拡大できます。 AWS にはセキュリティパートナーとソリューションから成る最大のエコシステムがあり、最も包括的なセキュリティ・コントロールとコンプライアンス・コントロールを提供しています。

信頼性、可用性、耐久性

デジタルエンジニアリング環境は、信頼性、可用性、耐久性と同様に、費用対効果やパフォーマンスも高い必要があります。 AWS は、障害から自動的に回復し、単一障害による影響を軽減するシステムを設計し、ワークロードが現在のリソースにおける上限に近づいたときに追加のリソースをプロビジョニングすることで、お客様が業務を継続できるよう支援します。 さらに、AWS のサービスは Well-Architected Framework (WAF) に従っています。 例えば、Amazon Simple Storage Service は99.999999999% (イレブンナイン)の耐久性を持ち、最初のクラウドネイティブなグラフデータベースである Amazon Neptune では、3 つのアベイラビリティーゾーンに 6 つのコピーを作成します。 さらに、AWSグローバルインフラストラクチャは、最もセキュアで、広範で、信頼性の高いグローバルクラウドインフラストラクチャです。これにより、お客様は環境の管理から解放され、デジタルエンジニアリング活動に集中できます。

費用対効果

コスト削減はデジタルエンジニアリングの主な利点の1つであり、お客様は固定経費(データセンターや物理サーバーなど)を従量課金制の変動費へと変更することで、コストの更なる削減にクラウドが貢献できます。 さらに、スケールメリットがあるため、変動費はお客様がオンプレミス機器の調達と管理に支払う金額よりもはるかに低くなります。 AWS では、AWS によるクラウド財務管理のもと、レポート作成とコスト最適化のための様々なコスト管理ツールを提供しています。 これには、通知、自動化、AI/ML ベースのコスト最適化の推奨事項、コスト予測、可視化および監視ツール、およびレポートが含まれます。

クラウド導入の事例

デジタルエンジニアリングは、お客様がエンジニアリングライフサイクルを再発明する機会です。 俊敏性、拡張性、接続性、安全性、信頼性、可用性、耐久性、費用対効果の高い環境を必要とするデジタルエンジニアリングを採用するお客様にとって、クラウドは成功の鍵となると考えています。 これらの特性はクラウドの核となる強みであり、世界中のお客様がエンジニアリングワークロードを移行している理由です。

現在、Rivian、NP Innovation、Commonwealth Fusion Systems など、複数のエンジニアリング分野のお客様が AWS を使用しています。 Rivian はソフトウェアツールの速度を最大 66% 向上させ、車両全体の部品表を22分で読み込めるようになりました。 NP Innovation は、既存の設計やデータの再利用を 50% 増やし、製品データの検索に費やす時間を 50% 節約することに成功しました。 Commonwealth Fusion Systems は、多くのシミュレーション・タスクの速度を上げ、実行時間を約半分に短縮し、コンピューティング・コストを 50% 以上削減しました。

さらに詳しく知りたい場合は、デジタルツインの様々なレベル (L1L2L3L4)、MBSE (Model Based Systems Engineering) (ホワイトペーパーガイダンス)、計算流体力学 (CFD)、DoD (Department of Defense) コンプライアンスなど、エンジニアリングと設計のトピックに関する他のブログ、ホワイトペーパー、ガイダンスを引き続きご覧ください。

このブログの翻訳は、データアナリティクスコンサルタントの大平が担当しました。

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