Saturday, March 5, 2022

【この街で】大同エンジニアリング代表取締役 米田武司さん(33)=野々市市 - 中日新聞

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「置き配」普及への思いを語る米田武司さん=野々市市徳用で

「置き配」普及への思いを語る米田武司さん=野々市市徳用で

置き配で環境配慮

 宅配便を、玄関前などの指定した場所に置いて届けてもらう「置き配」の普及を目指し、メッセージ機能付きのボックスを開発した。再配達をなくすことで自動車の排出ガスを減らし、環境に配慮する国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも取り組む。

 ボックスは、配達員が荷物を入れて閉めるとロックされ、受け取る人が鍵を使って中身を出す仕組み。配達員が内側にあるボタンを押すと、無料通信アプリのLINE(ライン)で「荷物が届きました」とメッセージが送信される。電源不要でどこでも置ける一方、約三十キロの重さがあり、盗難にも遭いにくい仕様だ。

 「届いたときに通知がほしい」。そう言い始めたのは職場仲間だ。会社の事務所と工場は少し離れたところにあり、片方が社員不在になる時間も多く、いつも再配達を依頼していた。金属加工の技術を生かし、自分たちで作ってみようと決心。IoT(モノのインターネット)に強い「B’s STYLE」(岡山市)との共同開発を始めた。

 構想段階で出てきたのが「再配達がなくなると、環境にいい」「配達員の負担も減るよね」という意見だ。SDGsの目標「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」などに当てはまっていた。意識していたわけではなかったが「環境にいいこと、当たり前のことをやっていたら、結果としてつながるんだな」と気付かされた。

 出来上がったボックスの基本の大きさは横約五十センチ、縦と奥行きが約四十センチ。希望に応じて大きさや柄を変えたり、建物に埋め込んだりと、細やかな希望に応じて製作できることも特徴にした。

 ボックスの設置については、実は助成金を出している自治体がある。東京都内や鹿児島県内の自治体などで、二酸化炭素(CO2)削減やコロナ禍の感染拡大防止が狙いだが、石川県内ではまだない。普及の機運を高めようと、今は不動産業者などを中心に、広報を続けている。

 置き配は、もっと便利に使えると思っている。例えば、寝ている子どもをインターホンの音で起こしたくないとき。入浴や料理をしていて外に出にくいときなど。「暮らしがもっと楽になるのに、環境もよくなる。まずは、この便利さを知ってほしい」(寺田結)

【プロフィール】よねだ・たけし=1988年生まれ、金沢市出身。2019年に同社を起業した。ゼロ歳の娘の子育て中で、休日は飼い犬2匹を連れてドッグランへ。


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