そもそもボア×ストロークって?
最近ロングストロークという表現をよく聞く。これはエンジンのピストン往復が長いタイプのことで、バイクのキャラクターを左右する象徴として使われることが多い。
このロングストロークエンジン、これまで高性能を追求してきた日本車には稀な仕様だった。海外メーカーの中速型の車両でも、様々な理由であまり採用されてきていなかった仕様だ。
詳しい話に入る前に、”ボア×ストローク”という言葉の意味を説明しよう。まず簡単にエンジンの基本構造について解説すると、エンジン内の燃焼室で起きた爆発を受けて、ピストンがシリンダー(気筒)の中で往復運動を行う。これをクランクで回転に換え、クラッチやミッション(変速機)を介して後輪を駆動する…という仕組みだ。
たとえばドゥカティのパニガーレV4Sはピストンの直径(=ボア)が81mm、この円形の面積は40.5×40.5×3.14、そこへストロークの53.5mmを掛け合わせると容積が275.5cc、それが4気筒あるので1103ccとなる。
ピストンが往復する筒の容積が、1回に吸える混合気の量で、これがエンジンの大きさを決めているというわけだ。
逆に言えば、ストロークが長くてもボアが小さければ排気量は大きくならない。ではなぜショートストロークやロングストロークといった違いがあるのだろうか。
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