日産自動車は7月19日、同社横浜工場のエンジン生産が今年6月の実績をもって、累計4000万基を突破したこと発表した。
現在はGT-R用の「VR38DETTエンジン」のほか、EVやe-POWER用のモーターも生産。2024年までに全固体電池の技術開発を行うパイロットラインを横浜工場内に設置する予定
横浜工場は日産創業の地として、1933年の創業開始から2年後の1935年よりエンジン生産が始まった。1976年に1000万基、1986年に2000万基、1997年には3000万基を、そして、日産の創業90周年を迎える今年、累計4000万基の生産を達成した。
横浜工場では、乗用車に初めて搭載したターボエンジンの「L20ETエンジン(1979年生産開始)」やV型6気筒の「VGエンジン(1983年生産開始)」など、日産の歴史に残る数々のエンジンを生産してきた。現在は「日産GT-R」に搭載する熟練した職人である「匠」が手で組み上げる「VR38DETTエンジン」を2007年より生産している。さらに、2017年から可変圧縮機構を採用した「VCターボエンジン」の量産を、世界で初めて開始した。
同工場は、社会環境の変化により役割を変化させてきた。2010年の電気自動車「リーフ」発売以降、駆動用モーターの生産もスタート。現在はEV向けに加えて、「ノート」などに採用するe-POWER用モーターも生産されており、2022年度は横浜工場における生産台数のうち、約4割がモーターの生産だった。また、2024年までに全固体電池の技術開発を行うパイロットラインを横浜工場内に設置する予定だ。
横浜工場はエンジンの量産工場だけでなく、パワートレイン生産技術開発部門と連携し、生産技術や量産するための技能・知識・仕組みをグローバル展開するパイロットプラントとしての役割も担っている。
横浜工場の和田民世工場長はこのように述べている。
「創業以来4000万基のエンジンを生産できたのは、私たちが生産するエンジンや製品が世界中のお客さまに受け入れて頂けたからこそ実現できました。横浜工場では、圧縮比を自在に切り替えることによって高い環境性能と圧倒的な動力性を同時に実現する『VCターボエンジン』の量産を世界で初めて実現しました。このような革新的技術とサービスをこれからも高い品質でお客さまにご提供してまいります」
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